*

枝重390kg、20ヶ月齢で出荷の近江牛は僕好みですばらしい肉質だった

公開日: : 2017/06/15 近江牛, 牧場・生産者

先日のセリで落札した近江牛。枝重390kgで20ヶ月齢での出荷は畜産関係者ならお分かりだと思いますが早すぎます。通常だと28~30ヶ月での出荷ですから、なにか問題があったのでしょうね。たとえば牛が死にかけているとか。キレイごとではなく死んでしまっては元も子もありません。生産者は次の牛を買うたまに、生活していくために、牧場経営を持続していくためには1円でも高く売らなければいけないのです。だから死んでしまっては元も子もありません。命あるものですから死もあります。僕もたまたま牧場を訪問していて死に直面したことも1度や2度ではありません。
 
もともと小ぶりな但馬系なので390kgは珍しくないのですが、20ヶ月齢の出荷は早すぎます。このあたりは公開されない情報ですが、僕は気になると考えすぎて微熱が出るのでセリ前に生産者にしっかり聞くようにしています。もちろん懇意にしている生産者の牛しか買わないので聞きやすいですし、相手も話しやすいということもあるのでしょうが、「この子は産まれた時から脚が弱くて、起き上がるのにも時間がかかり、ここ最近は特に寝たままの状態が多かったのです。このままだと命に関わる事態になる可能性があったので早めに出荷しました」とのことでした。生産者はこういう判断も大事ですね。
 
そんな訳ありの子でしたが、枝肉は瑕疵もなく格付けもA3で僕の好みでした。命あるものですからいろんなドラマがあります。それを受け継ぎながらどうやったらおいしくなってくれるのか、四六時中そればかり考えています。僕の周りにいる料理人の方が料理のことばかり考えているのと同じように1つのことに狂わないといい仕事はできないですね。

 

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

目利きは肉そのものよりも生産者の人柄優先

ブラインドで味覚テストでもすれば、マグロと間違うんじゃないかと思うぐらい滑らかな赤身肉です。

記事を読む

ミートカレッジ「ギューテロワール」に集った素敵な人たち

あまり表に出ることがない藤井牧場さんご夫婦(左から奥さん、ご主人。右は日本海牧場の山崎さん)20

記事を読む

生産者×肉屋×料理人

豚の頭を解体するLe14eの茂野シェフ。いやぁー驚きました。パリでの修行時代に6年だったか7

記事を読む

理想的な近江牛

サカエヤには、全国からいろんな牛が入荷してきますが、メインはむかしもいまも近江牛です。都内でも京都や

記事を読む

南山 京都駅店 Nanzanギューテロワールにて弁当を買う理由

例によって南草津駅から電話して弁当をお願いした。京都駅まで17分程度だ。 西口改札をでれば

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2024年11月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930