少々やんちゃでもハートがピュアじゃないと続かない
公開日:
:
2017/07/16
コラム
いま種が付いてしまうと真冬に産まれてしまうので、今月頭に3ヶ月間の種付け禁止となっていたタッキー。ようやく解禁となり狙いを定めているかのような後姿。
さて、移転まで2ヶ月ほどになりましたが現店舗は今年の2月で20年を過ぎてしまいました。あっという間の20年でしたが、それはもういろんなことがありました。ちなみに移転後(9/21グランドオープン)に現店舗は取り壊しになります。
O-157、BSE、口蹄疫、ユッケ問題からお金や人の問題など、何度も何度も危機はありましたが、まぁ、紙一重でしたね。おそらくいま最前線で活躍されているみなさんは、同じように危機的状況を乗り越えて現在があると思うのですが、楽勝なんてなかったですよね。やっぱり紙一重ですよ。新しい扉を開けるために邪魔くさいことをどれだけやってきたかだと思うのです。
そんななかで一番苦しんだのは、やっぱり人ですね。お金はがんばればなんとかなります。ベンツもフェラーリもチャンピオン牛もお金があれば買えます。しかし、人だけは心がありますからお金だけではどうにもならない面倒なものです。騙されたり裏切られたり、人間不信になりそうなこともありました。ただ、いろんな経験をして今だから言えることは、心がピュアじゃないと一緒にはやっていけないですね。頭が悪くても鈍臭くても少々やんちゃんでもいいんですが、心がピュアじゃないと続かないですね。
特に四六時中一緒じゃない生産者に関しては、人だけじゃなく家族であったり牛舎であったり、私はがっつり生産者に入り込んでしまうので、やっぱりピュアじゃないと長くは続かないんです。いくら素晴らしい牛を育てても、おいしい肉を作っても、嘘をついたりごまかしたり心が悪い人とは長続きしませんし私の気持ちも入りません。お客様に自信を持ってすすめられる肉は人次第なんです。
だからやっぱりモノではなく人が永遠の課題でありテーマなのです。いま、一緒に働いてくれているスタッフも牛を私に預けてくれている生産者も、そしてシェフのみなさんも本当に素晴らしい方達ばかりです。その道に命がけで取り組み、真面目で嘘偽りがなく、そういう人たちが周りにいるから私もがんばれるのです。
関連記事
-
シェフの好みに合わせた牛肉
シェフとやり取りしながら肉を手当てしていくのですが、毎回悩みます。水分量、脂と赤身の比率、フ
-
おいしい料理はきれいな厨房からしか生まれない
僕がいままで感動した料理を作り出す厨房はどこもピカピカだ。汚れた厨房を見るとイライラする。汚
-
保護中: ②BSEから学んだこと
とは言うもののだ。一緒に取り組む生産者は見つかった。この頃の農家は牛を出荷したら仕事は終わりで、その
-
枝肉から捌く醍醐味こそ肉屋のおもしろさ
我々の業界で言うところの「捌き」とは、枝肉から大分割して、さらに中分割したロースやウデ、バラ
- 新記事
- うに+肉に思う、牛肉の生食について
- 旧記事
- 牛舎で見るところは天井