熟成肉について日経新聞に掲載後、テレビでも
公開日:
:
2018/03/23
熟成肉
先週の日経新聞に掲載されたことで問い合わせや取引依頼が少しあった。興味を持っていただけることはすごく嬉しいのですが、間違った解釈をしている方が多いのも事実であり、ブームが去って残るべくして残ったパイオニア達が困惑する状態だけは避けていただきたいと切に願います。
さて、NHKで熟成肉についてやまけんさんが解説していましたが、まったくもってその通りの内容で、「熟成」と「腐敗」を理解していない同業者や飲食店が多く存在します。いつだったか都内の人気ビストロ店に行ったとき、「新保さん、ちょっと見て欲しい肉があるんですが」と出してきたのがヤバく変色したランイチだった。あきらかに真空パックで仕入れたランイチを開封して簡易冷蔵庫に放置していたなんちゃって熟成まるわかりで、そのことを指摘してぜったいにお客様に提供してはいけない旨を伝えたのでした。こういうのが意外と多いのが現状なのです。
真っ当な熟成肉を作るには、まず設備投資が必要です。もちろん知識や経験が前提ですが、環境が整っていなければ肉がおかしな方向にいっちゃいます。やまけんさんが言う「プロがやらなければ危険」というのは、食肉を扱うプロ(知識があり技術があり経験があり)で、なおかつ熟成肉に関してのプロだということです。
なんでもかんでも熟成肉が良いということではなく、熟成に適した肉であり、なぜその肉を熟成させる必要があるのかを知ることも、そしてしっかり語れることも扱う側の役割だと思います。
関連記事
-
ドライエージングとウェットエージング
コンビニで立ち読みすることは滅多にないのだが 関西ウォーカーに牛肉サミットの記事が掲載されているとい
-
熟成肉の販売について
2月には50頭分のロースやモモが熟成庫で出荷を控えていたのですが、コロナの影響で行き先がほと
-
熟成肉のモモが売り切れ中ですがしばらく続きそうです
3月はものすごい勢いで熟成肉の出荷があり、冷蔵庫に肉がない状態が数日間続き、特にモモの減り方
-
肉をみて触ってどう処置するのか、肉屋の仕事は医者と似ている
シェフからの要望も様々でして、こちらはクラシタ(肩ロース)のネック部分のみ骨を残したパターン