ユッケ、タルタル、生食について
公開日:
:
2018/05/16
コラム
ここ最近、何軒かのレストランで食事したときにメニューに堂々とタルタルがありまして、お店の方に「大丈夫なんですか?」と聞くと「ダメなんでしょうか?」と返される。「許可がいると思うのですが」と聞くと「どうやったらとれるんでしょうか」と返される。面倒なのでそれ以上の会話はしませんが、いったいどのような肉をタルタルで提供しているのかとふと思った次第・・・
都道府県によって生食の許可申請は微妙に違うみたいですが、滋賀県の場合は市によっても異なります。保険所の担当者が食肉に詳しい方であれば意外とスムーズだったりしますが、そうじゃない場合は申請から地獄のような書類提出で挫折します。さらに飲食店での提供許可よりも加工の許可は死ぬほど大変なんです。
それで、ふと思ったのですが飲食店で提供しているタルタルですが、提供してもいいですよという許可はおりていても、生食用の肉を加工できる許可をとっている施設から卸してもらった肉を使っているところは少ないんじゃないかなぁと。そんな気がするんです。
わかりやすく言うと、生食(タルタルやユッケ)を飲食店で提供するには2つの許可が必要ということです。お客様に提供する許可は店側がとればいいのですが、その肉を卸してもらう業者が生食加工の許可をとっていなければいけないということです。
サカエヤではユッケを販売していますが、この許可こそ大変でした。店からお客さんが外に持ち出すということをそもそも認めてくれなくて、最終的には消費期限が製造から8時間、専用の隔離した場所でしか作業しない、包丁もまな板も生食専用のものを使う等々でようやく許可されたのです。だから安全ということではなく、作業する人の意識のほうが大事だと思いますが、サカエヤでは僕しかユッケは作りませんし、セジールでは村田シェフしかタルタルは作りません。
肝心の生食用の牛肉ができるまでの行程ですが、屠畜から7日以内に菌検査から処理までを終わらせなければ販売できません。菌検査に出している間に熱処理をするのですが、これがめちゃくちゃ手間なんです。枝肉から抜いたモモ4部位(40~50kg)を90~95℃のお湯に30分浸けて、取り出したモモ肉の断面1~1.5㎝を62度で2分間キープ。そして3時間30分冷やして芯温8~12℃をキープ。この行程の間に検査結果の連絡がくるのですが、万が一陽性なら処理した肉は生食として販売できないのです。ねー大変でしょう。
長文になりましたが、こういうこともちょっと頭の隅っこに置いといて欲しいなと思ったりした次第です。
関連記事
-
-
BSEの教訓を活かして
久しぶりにAmazon prime videoで震える牛を観た。BSE、食品偽装、当時の記憶が鮮明に
-
-
ブランドや格付け、生産者名で肉が売れる時代は終わりに近づいている
うちの店で格付けを気にしながら買い物されるお客様は僕が知ってる限りいないと思う。商品プレート
-
-
『まなそびてらこ』子ども記者クラブの夢奏ちゃんと百々子ちゃんが取材にきてくれました
一般の方で僕に肉の話しを一生懸命してくる人がいる。まぁいいんですが、どこで聞きかじった情報な
-
-
A5の発生率か多くなる11月にふと思うこと雑談
来月になると年末年始に向けて枝肉の共進会や共励会が開催されます。簡単に言うと枝肉のコンテスト
-
-
肉を知るには肉屋へ通い肉屋で学ぶ
あちこちから肉の勉強会のお誘いがある。先日なんか交流の薄い知人の知人からお誘いがあって、それ