石田めん羊牧場さんのマトンをビストロシンバ菊地シェフが料理すると違う世界が広がった
公開日:
:
2018/08/12
店・料理人
足寄の「石田めん羊牧場」さんへ初めて行ったのは3年前、いや4年前だったかな。石田さんの奥様が彦根の日夏出身ということもあり実家の近所なんです。それから毎年のように訪ねています。もちろん親近感だけで滋賀から足寄は遠すぎます。主役は羊です。そう、羊に会いに・・・
とは言うものの、僕は羊飼いじゃないので生きた羊を見ても可愛いと思うだけで何も分かりません。ただ、生産者の石田さんも僕と同じように考え方は日々変わるものです。それがおもしろい。もちろん軸はブレませんよ。変化は生き物を扱っていれば当然のことですし、そうじゃなければ良い羊は育ちません、良い肉を仕上げることもできません。
さて、石田さんの羊ですが、あえて経済効率の良くないサウスダウン種を飼っています。サフォーク種のように肉量がとれず、繁殖機能も低く、生産する牧場も少ないのです。じゃーなぜ石田さんはサウスダウン種にこだわるのか。ご本人に直接聞きましたが、簡単に言えば、自分が食べておいしいと思ったものだけやりたい。こういうことだと解釈しました。羊を育てて売って生活しているんだけど、やっぱり信念ないと良いものは作れないですよ。
3年前に訪ねた時・・・かなり若い。特に僕の老化が激しすぎる。ヤバいんじゃないか。
8月10日、東京新富町のビストロシンバにて有志のみなさまで「石田めん羊牧場さんのマトンを食べる会」が開催されました。じつは今回のマトン、僕的にはあまりオススメできなかったのです。かなり水分が多く、調整するのに時間がかかってしまいます。しかし時間がなく、ある程度の調整でシェフの元へ届けたのです。おそらくピークは13日以降、かなりおいしくなってくれると思いますが・・・さて不安と期待でシンバーへGO!
そういえばdancyu6月号にがっつり掲載されていました。いまさらですが・・
結果を先に言いますと、いやぁ~~~~~~おいしかった!!!
石田さんの羊を食べられる店はいくつかありますが、僕の場合は届いてから右から左に流すような仕事をしていません。個体差もありますので、きっちり手当てしてからシェフの元へ届けるようにしています。店の規模、消費するまでの期間、どのような器具を使ってどのような料理をするのか、このあたりを把握して手当てしていかないと羊が持つポテンシャルが上がってこないのです。
期待と不安の羊でしたが、写真を撮り忘れるほど夢中になりました。もともと僕は牛肉文化の関西育ちなので羊は好んで食べなかったのですが目覚めますよね。こんな羊を知ってしまえば。石田さんから僕へ、そして菊地シェフへ・・・来週あたり、もっとおいしくなっていると思いますので気になる方はぜひお店へ伺ってください。
関連記事
-
-
お金の匂いがしない料理は疲れない
Le14e茂野シェフを質問攻めにするきたやま南山の江口さんと岡田さん。双方ともに扱う肉は同じ
-
-
スペイン料理 aca1°(アカ)の肉料理はこれから大注目です
今週はハードだった。週のはじまりを大阪でスタートして翌日は新潟へ行き(お店が凄かった!また機
-
-
サカエヤでの研修について
料理人の方から研修したいという問い合わせが結構多くてありがたいことです。研修といっても料理で
-
-
肉焼きの上達のコツは場数とセンス
あるイタリアンのシェフは、パスタはお湯の中で泳いでいるのを見ただけで茹で加減がわかるといいま
-
-
料理人に合わせて肉を手当てする
枝肉から骨を外し部位ごとに真空パックして箱に詰める。業界でいうところのボックスミートだ。真空