自分の歌い方で歌え
公開日:
:
2018/12/10
コラム
テレビも見ないし音楽も聞かないのですが、桑田佳祐ひとり紅白歌合戦は毎年楽しみにしているのです。だって演歌であれロックであれ、なに歌っても桑田佳祐ですからおもしろくてね。これって凄くないですか。しかもですよ、素人がカラオケでサザンを歌うとなんとなく桑田佳祐ぽくなってしまうじゃないですか。モノマネしているわけじゃないのに似てますよ、とか言われてその気になって他で歌ってボロカスに言われたりしてね(笑)
10月に吉田牧場の全作さんと築地でコラボやったときに、僕が手当てしたブラウンスイス牛を食べてこんなこと言った人がいたんです。その前に・・・
ちょうど1年ぐらい前にメゼババの高山シェフから送ってもらったメトロミニッツ(9.20 2017 OCT)の記事です。ゾクゾクしました。喜怒哀楽がない僕はなにかを読んで心が揺さぶられたことなんて記憶にないですが、いやぁー、、ちょっとね、何回も何回も読みました。オーボンヴュータンの河田シェフもすごいが高山シェフもすごい。河田シェフの「僕のお菓子を嫌いな人は嫌いで、大いに結構」は共感なんてものじゃなく職人としてシビレますし、高山シェフの「We Are The World」のくだりなんて、まさしくメゼババの料理そのものです。読んでない方はなんのことか分からないと思いますが、「変わらない店」というタイトルで連載をまとめた本が発売されているそうです。ご興味ありましたら^^
築地の会、、、探したけど料理の写真が1枚もないのでバックヤードの集合写真でも。それで、ある人が「俺分かっちゃったよ、ブラウンスイス牛がどうとかじゃなく、ニイホさんが手当てした肉は何食ってもニイホさんの味がするんだよ」と。、、、いやはや桑田圭祐ぽくて嬉しいのですが、僕の手当ては料理人がいるからこそ生かされるのであり、信頼関係から成立する肉の味だと思うのです。
いつだったか、ある料理人とコラボしたことがあるんです。その方の料理を食べたこともなければどんな人なのかも知りません。面識はありますが打ち合わせもメールで3回程度やり取りしただけです。自信満々だったので大丈夫だろうと高を括っていたのが間違いでした。どうすればこれほどおいしくない料理にできるのかと驚いたぐらいです。ショックでしたね。やっぱり普段からやり取りしていないとこうなるのかと。そして、僕が手当てする肉は信頼できる料理人がいてこそ生かされるものだと再確認させられました。
築地での吉田全作さんとのコラボ会では、イルジョットの高橋シェフがブラウンスイス牛を焼いてくれました。ブラウンスイス牛はかなり難しい肉ですが、参加者みなさんから大絶賛でした。僕もこの日に合わせて手当てしましたが、それよりなにより僕の肉を知り尽くしている高橋シェフだったからこそだと思います。
生産者がいて僕のような立場の人間がいて、そして料理人がいる。僕は卸問屋じゃないので生産者と料理人をつなぐ役目ではなく、あくまでも肉を育てるのが仕事だと思っています。そして気に入った(ちょっと語弊があるかも知れませんが)料理人のために良い仕事をして食事をしたお客さんからおいしかったと言ってもらえることが一番嬉しいかな。
自分の歌い方で歌え。
話題に乗っかるのもいいけど、いろんなやり方があったほうがおもしろい。
ジビーフとかブラウンスイスなんてまさにそんな肉ですからね。
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