ジビーフ「あつし」のカイノミを食べる
公開日:
:
2019/01/27
ジビーフ(完全放牧野生牛)
1月11日にと畜した24ヶ月令去勢の『あつし』。生産者の奈緒子さんは月齢が若いので肉にするには早すぎるとの見方だった。実際に枝重は272kg、皮下脂肪は0.2cmと黒毛和牛の半分程度。誇れるのは有機JAS牛とアニマルウェルフェアと言う部分だけなのか?!
僕は生産者じゃないので、実際に届いた肉を見て手当ての判断をするだけ。生きた牛を見たところで僕には分からない。だけど肉を見ればある程度のことは分かる。特に瑕疵は飼育中の事故なのか、サシを入れるためにビタミンコントロールを失敗したものなのか、はたまた病気なのか、、必ず肉に症状が現れる。だから僕は生産者が愛情だの感謝だの家族の一員だのと言った発言には違和感しか感じない。そんなことは肉を見れば分かる。
ジビーフ『あつし』が届くとその日は何もせず冷蔵庫で休ませる。翌日、すべての部位を検品して頭に浮かんだシェフごとに手当ての段取りをしていく。その前に今回のジビーフ『あつし』、奈緒子さんの心配をよそにものすごくいい。肉に張りがあり水分量も適度で20日もあれは仕上がるだろう。もちろん瑕疵はない。
ロース、モモ、カタウデは熟成させるので30日後、他の部位は日々様子を見ながら販売していきます。先月のジビーフ『次郎』同様にカイノミをメゼババ高山シェフに預けた。カイノミはいつもフレッシュで食べて思いを巡らせるのだが、繊維がガチガチだった次郎に比べてあつしは繊維ごと噛み切る喜びのようなものを感じる。ジビーフを前にすると不思議とうまいとかおいしいとか誰も言わない。もちろんとろけないので柔らか〜いなんてことも言わない。ジビーフを前にするとみな無言になる。そしてニヤッと笑う。これこそジビーフであり命をいただくという行為である。
今朝のジビーフたち
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なかひがしさんでジビーフ、もとい、野牛十兵衛でした。おいしいとか感動したとかではなく、しみじ