新規の取引きに関しまして
公開日:
:
2019/11/01
お取り引き
スマホは4Gから5Gへ。いずれは脳波で操作し体に埋め込まれる時代が来るかもしれません。僕たちは未来を現実的に予測できる時代に生きています。その一方で、ゲノム編集食品が解禁されました。ゲノム編集で肥大化した牛の写真を見ましたがロボットみたいでした。遺伝子操作なんて聞くとなんかおっかないですが、ジビーフたちを見ていると、自然をコントロールすることも、抵抗することも無駄であり、なにもしないことが「・・・らしさ」だと実感します。奈緒子さんらしさ、全作さんらしさ、藤井さんらしさ・・牛は牛らしく。僕の周りはらしさの人たちばかり。
僕は牛飼いではありません。つまり生産者じゃないということです。だから僕に牛の質問をされると困ることがあります。もちろん生産者の近くにいるので少しは知識がありますが、しったかぶりをするつもりもなければ牛について論じる度胸もありません。ただ、肉に関しては頑固な哲学があります。精肉店という職業に誇り高いプライドを持っていますし、自分の感性こそが絶対だと信じています。
さて、ありがたいことに、取引のご依頼をちょくちょくいただきます。いますぐにでも使いたいとか、なんでもいいから送ってほしいとか、どこどこのシェフが使っている肉を仕入れたいとか、時々無茶なことを言ってくる人もいますが、お声がけいただけるということは、どちらにしてもありがたいことだと受け止めています。20年前なら営業してもたどり着けないような企業の方から取引依頼をいただくこともあります。なんかすごい時代ですね。滋賀ですよ、しかも吹けば飛ぶような小さな精肉店ですよ。ほんの18年前はBSEで息も絶え絶えでしたからね。当時からすれば考えられないことばかりです。
僕がもし拡大路線や問屋仕事に徹したビジネスをやっていたならいまの状況は間違いなくなかったでしょうね。頭の悪いのが幸いしたのか会社を大きくする器がなく、人のご縁だけでいまに至るみたいなもので、根っこの部分はこの仕事を始めた頃から変わらずです。何度でも言いますが、精肉店という職業に誇りをもっていますし、手当てという一手間入れた仕事が僕の価値だと思っています。
だから、問い合わせをいただいてすぐに取引につながるということはありません。だって、顔も知らなければその方の料理を食べたこともないのですよ。いったいどんな肉を選んでいいのか悩みます。僕は卸屋じゃないので、お肉送ってください。はい、ありがとうございます。というわけにはいかないのです。
シェフが何を求めているのか、そこがわからないと簡単にいまある在庫のなかから肉を送るなんてことはできないです。僕は愛想が良い方じゃないし、言葉のチョイスも間違うことが多いので生意気な奴だと思われることもあるかも知れません。でも、スタンスというか性格というか、理屈じゃない部分ってあるじゃないですか。だから、まず会いましょう。滋賀に来て肉を見てください。そしてどのような環境で仕事をしているのか知ってほしいし、お届けする肉を最終だれがカッティングしているのかも知ってほしい。もちろん僕もシェフの料理を食べに行きます。僕の仕事はいわばカスタマイズなので、シェフのことを知らないと肉を仕上げることも選ぶこともできないのです。
それと、一回や二回の取引ならやりたくないですね。シェフと僕の相性というものもありますし、せっかくなら長くお付き合いしたいじゃないですか。何回もやり取りを繰り返しながら良い肉を提供させていただきたいですしね。だから、とりあえず一回試したろかみたいな問い合わせは正直困ります。生産者の方から預かった大切な肉ですから、お互い気持ちよく納得いくまで突き詰めた取引がしたいですしね。
業者扱いされるのも嫌ですし、同じ目線じゃないと言いたいことも言えないですからね。なによりも気を使うのが苦手なので好きな人に好きな肉を届けたい。これがすべてです。そんな感じでやってます。
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