*

30年間おつかれさまでした

公開日: : 2020/11/04 未分類

30年前、とにかくお金がなかった。スライサーすら買えなくて廃業した店のスライサーを機械屋に引き上げてきてもらって安くで買った。きっと腕の良い職人さんが一生懸命掃除していたのだろう。手入れが行き届いていた。

ときどき故障するものの、しっかりメンテしてカスタマイズしながら30年使い続けた。もう少し頑張ってくれそうだが、あまりにも僕の癖がつきすぎているので若い子たちが扱うには難しい。定休日の本日、オーダーメイドで組んでもらったスライサーが搬入されます。市販のものではなくあえてオーダーメイドにしたのには訳がある。

数日前、了平がSNSに書いていたが肉屋の仕事を極めるには、いかにすき焼きの肉をうまく切れるかだと思っている。すき焼きの肉こそ肉屋の仕事であり花形なのです。焼肉やステーキのカットはそれほど難しいものではない。すき焼きの肉は機械(スライサー)が切るので誰でもできそうだが、じつは知識と技術、テクニックとセンス、そして少しの経験が必要なのです。

このあたりは個人の考え方、地方による牛肉の捉え方によって違うと思いますが、おそらく僕と同世代で関西のご同業の方は頷いてくれるんじゃないかな。

30年間おつかれさまでした中古で買ったスライサー。僕の最後の仕事は牛肉ではなく愛農ポークでした。最後にビシッと霜降りのロースを切って終わりたかったのですがそれもまた今の僕を象徴しているかのようです。

昨夜は愛農ポークのしゃぶしゃぶを食べましたが、いままででいちばんおいしかったです。木曜日からは真新しいスライサーで切ったお肉をお届けします。それもまた楽しみ。30年後は90歳です。できれば現役でやっていたい。

 

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ジビーフと愛農ポークでしゃぶしゃぶ会

ジビーフ『なおみ/191ヶ月齢/100日熟成』の大腿骨焼きからはじまり、『ひとみ/29ヶ月

記事を読む

研修希望者が後を絶ちませんが受け入れはよほどでない限りしていません

研修させてほしいと後が絶えない。肉を知りたい、扱い方を覚えたいと思ってもらえ

記事を読む

ラフィナージュ高良シェフの世界

今回のジビーフはいつも以上に水分が多く手こずりました。とにかくペーパーを数時間ごとに交換して

記事を読む

プレミア近江牛販売まであと3ヶ月

(撮影:中塚まろみ)[/caption] 自給飼料と国産飼料100%の近江牛を昨年の7月に2

記事を読む

熟成肉の次回販売は今週末から

立命館大学びわこ・くさつキャンパス開設20周年記念企画BKCサンクスデーに「ホルそば」焼きに行っ

記事を読む

新記事
5年ぶりのALL THAT GIBEEF
旧記事

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2024年11月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930