ステーキナイフ
公開日:
:
2023/06/18
商品
ワードプレスの仕様が変わってから、すっかりつかいにくくなり、noteに投稿していますが、久しぶりにこちらにも書いてみようと思います。
サカエヤステーキナイフですが、ようやく目処がたってきました。いまのところ9月20日発売予定です。岐阜県関市の刃物屋さんと共同開発で、ナイフのデザインは、プロダクトデザイナーの片岡哲さん、パッケージデザインはカーデザイナーの難波治さんが担当という豪華な組み合わせが実現。
こだわりすぎて時間がかかりましたが、その分、出来栄えは見事なまでに美しく、実用性があり、その切れ味に驚かれると思います。
ここからは片岡さんの紹介文です。
—
京都のイタリアンレストランで偶然ご一緒したご縁から、精肉店サカエヤの新保さんとステーキナイフを作る事になった。
新保さんが手当てするお肉の美味しさは味や香りは勿論だが、その魅力の一端は噛み心地だと個人的には思っている。異なる肉の個性を見抜き、締まった繊維を緩ませたり、逆に引き締めたり、時には敢て手を加え過ぎず、様々な美味しい“噛み心地”を演出してくれる。
幸運にも新保さんのお肉を扱う料理人の皆さんは、そのお肉をそれはそれは素晴らしい料理に昇華して我々に提供してくれる方ばかりだ。
しかし、お肉を口に運ぶ数秒前に我々食べ手に託された料理の最終仕上げ、それが“ナイフで切る“事である。それぞれが自分の口に入れ易い大きさに切る事が第一目的なのだが、同時に、無意識に、食感をデザインしているとも言える。
繊維を断ち切るように、逆に繊維に沿って、厚く、薄く、はたまた斜めに切って一切れの中に変化を作り出す、そんな最後のお愉しみを演出するナイフを作りたいと思った。
新保さんとのコミュニケーションを通じて掲げた条件は三つ。
1切れる事
2安全で使い易い事
3美しい事
一つ一つはどれもまあ特に目新しい事ではないが、これをごく自然に、導かれるかのように生み出せないかと考え、施したのが“欠く”という造形操作である。至極真っ当に誂えたナイフのブレードの一部を切り欠き、そこに機能としてこの三つの要件を併せ持たせた。
1切れる事
どんなに切れる刃物でも使い続ければ切れなくなる。切れる鋼材を使う事は勿論、切れ味を維持するには研ぎ易さが大切である。切り欠かれた刃にアゴが生まれ、砥石当たりの無い研ぎ易さを実現している。
2安全で使い易い事
調理の厨房ではなく食事中にテーブルで使うステーキナイフは、不意に刃が他に当たらぬよう、ブレードが柄の幅からはみ出さない事が安全の為に重要だと考えた。その幅の中に重さのバランス、握り易く操り易い柄の形状、切り易い刃の曲線を閉じ込め、その切り欠きが手で持つ柄と肉を切る刃の間で結界となって世界を隔てている。
3美しい事
使う時にはその所作が美しく、箸休め(ナイフ休め?)時には置かれる佇まいが美しくあって欲しい。カトラリースタンドやお皿の縁にナイフが留る際、その切り欠きはとても良い仕事をしてくれる。
新保さんの手当てしたお肉が調理された最高の料理と共に、このステーキナイフが最後のお愉しみを演出する、しかし、あくまでも良き脇役として食べ手の元に届きますように。
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