手間をかけた仕事のその先
公開日:
:
2023/09/20
雑記
僕は手当てという言葉をよく使いますが、要は肉にどれだけ「手間をかける」かどうかです。現在、枝肉から仕事をする肉屋は数えるほど。業者が加工場で骨を抜いて、部位別に真空パックにして流通させるのが主流となって40年は経つでしょうか。
4年前に出版したとき、アメリカやヨーロッパはいまも枝肉が主流で、、と書いて、編集の方から、どうやらあちらも真空パックがほとんどみたいですよ、と直しが入った。僕が知ってる肉屋が枝肉から仕事しているだけで、なんだ、そうなのかと。
それを否定するわけではありませんが、なんでも便利になりすぎて、手間をかけることを忘れてしまっているように日々感じています。便利さを優先するのか、おいしさを追求するのか、けっして大袈裟なことではなく、肉を捌くという技術さえも、そのうちなくなるかも知れません。
どんなに文明が進化しようと、数値化できない感覚の部分こそ、包丁は手の延長だと考える僕のような者が生き残る術だと思っています。
昨夜は、「antica locanda MIYAMOTO×洋食おがた」のコラボ会でした。草原あか牛と走る豚だけでメニューを組み立て、橋村さんや服部先生、武藤さん、地元の方々や県外からも、たくさんの方に参加していただきました。
手当てした肉を食べ、会の終わりに他所様の肉も食べ、自分がやってる「手当て」という手間仕事の意味を改めて感じたのでした。いまだにセジールの改装を惜しむ声が後を絶ちませんが、もっと肉をおいしくするためには必要な改装であることを、僕自信がツヨク想っています。
いま熊本から帰りの新幹線、博多に停車中ですが、外国人の団体がわんさか乗ってきた。バカでかいスーツケースになにをそんなに入れるものがあるのかと、いつも不思議に思う。僕の隣にタトゥーだらけの男性が座った。隣は誰も座ってほしくないけど、どうせなら女性にしてほしい。
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