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牛肉は見た目重視からおいしさ重視へ

公開日: : 2011/10/13 雑記

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先日開催された近江牛のセリは、
異常とも思える高値で思うような買い付けができなかった。

生産者は、高く落札されればうれしいものだが
あまりにも相場とかけ離れた取引に、戸惑う様子も伺えた。

セリの前に、準備室にて枝肉の目利きを行うのだが
事前情報は、生産者名と重量、格付け・等級だけで、購買者は各々の知識と経験と勘で
目星をつけて競り合うのだ。

だいたい、格付け・等級によって落札価格に差が出るのだが
ここで注目してほしいのは、格付け・等級(A4とかA5とか)は
見た目で判断されるので、味はあまり重要視されていないのだ。

味見して格付けするわけにはいかないし、牛肉は日を置くごとに
味が変化していくので、管理方法によっても大きく異なる。

もし、事前に味が分かれば、A5よりA3が高く落札されるような現象も
起こるかも知れない。

以前に、なにかの記事で読んだのだが、
牛肉の脂肪に含まれる食味成分のオレイン酸を数値化することで
「おいしさ」の指標となることが期待されるというようなことが書かれていた。

業界紙にこんな記事が掲載されていた。

おいしい牛肉にはうまみ、甘みがある。
うまみ成分は赤身部分に由来するグルタミン酸が代表的だが
アミノ酸には「甘味系アミノ酸」「旨味系アミノ酸」「苦味系アミノ酸」などがあり、
それらが複雑に作用しあっておいしさを作りだしている。

食感には、肉の軟らかさが、多汁性には脂肪の質、いわゆるオレイン酸
(不飽和脂肪酸)が大きくかかわる。脂の融点の低さは和牛全般にいえる特徴で
あり、オレイン酸が多い牛肉ほど脂が軟らかく滑らか。

オレイン酸の果たす役目は高く、その中でも但馬系や長期肥育された和牛は
オレイン酸をより豊富に含み、目利きにも高く評価されている。

脂肪に含まれるオレイン酸の多さは遺伝(品種、性別、血統)によって
大きく 左右され、肥育期間の長さにも関係すると言われています。
ただ、肥育期間が長くなりすぎると肉の締まりがよくないので個人的には疑問が残る。

もともと和牛はオレイン酸を多くつくりだす遺伝子を持っている。
その遺伝子がとくに強く発現するのが但馬系だといわれている。

試食した赤身が多い肉も但馬系であることからすると
あながち間違ってはいないと思うのだが、オレイン酸がおいしさのすべてではないので、
エージングや食べるタイミング、もっというならば保存方法もおいしさに関係する
のではないかと思う。

とまぁ、こんな感じで書かれていたのだが、ここ最近の消費者動向から見ると、
サシ志向の見方からおいしさ重視へ変化しつつあるのは間違いないだろう。

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