赤身肉の価値観
公開日:
:
2012/03/20
雑記
宮崎日南水産に熟成肉を持ち込んで焼いてみたが、これがけっこう旨くて
普通に焼いても熟成肉特有の香りと柔らかさが堪能できた。
ただ、ステーキ肉のように分厚くカットした場合だと、やっぱり弱火でじっくり焼くほうが
うまいだろう。(写真は、梅もんじゃけんぼー農園のやいちん撮影)
ところで、サイトでは熟成肉が一昨日より売切れ状態となっている。
昨年の販売より、スムーズに売切れすることなく販売できていたのだが
ここ最近の注文殺到により、ついに品切れとなってしまった。
欲しい方には大変申し訳ないが、3月30日には、ドライエイジングで仕上げた熟成肉が
40日を迎えるので翌日の31日から出荷できる予定だ。(→クリック)
さて、昨日は、びわカン(BBCびわ湖放送毎週金曜日0:20~、関西一円j:comでは毎週土曜日20:00~)
のロケだった。
半年に渡ってお送りしてきた熟成肉の特集が次週の放送で最終回をむかえる。
今回は、実際に召し上がっている方に感想を聞こうとダイニングMOOにて突撃インタビューを行った。
運よく、通常の近江牛と熟成肉の食べ比べセットをオーダーした2組のお客さんに
お話を聞くことができた。
近江牛のステーキはもちろんおいしいのだが、熟成肉のほうがあっさりとしていて食べやすい
といった感想をいただいた。
ついでに、店内で飲食しているお客さん全員に、霜降り肉vs赤身肉のアンケートをとってみた。
全員、赤身肉が好みという結果には少し驚いたが、これが現状なのだ。
生産者や流通業者は、いまだにA5信仰が強く、それをあおるようにマスコミも
サシのたっぷり入った肉の特集をやったりするが、じつは消費者の求めているのは、
A5よりA4であり、A3あたりの赤身肉に趣向が傾いているのだ。
番組的には、見栄えのする霜降り肉がインパクトがあって構成しやすいだろうが
本当のところ、消費者(特に女性)は意外とドン引きなのかも知れない。
私の友人なんかは、グルメ番組で霜降り肉が登場するたびに気持ち悪くなるらしい。
とまぁ、まだまだサシ重視の日本だが、年々霜降り肉は食べられなくなり
食べるなら「赤身肉」という方が増えつつあるのも事実だ。
しかし、まだまだ赤身肉の価値が低く、引き取り先が少ないのが現状だ。
値段がつきにくく、生産者もサシ重視の肥育に重点をおかなければ経営が成り立たない。
もっと赤身肉に価値を見出し、生産者も販売者もしっかりと利益がとれる仕組みが作れれば
今以上においしくて健康的な牛肉が世にでまわることになるのだが。
関連記事
-
おいしくするのは執念
携帯電話が鳴ると、なんとなく誰だかわかる。今朝、10時に携帯電話が鳴った。中島さん(際コーポ
-
吊るし捌きと置き捌き
骨を抜く作業を「捌き」と言いますが、大きく分けると吊るしたまま捌く方法と、まな板上で捌く方法
-
謙虚さ、パッション、夢、この3つの〝食材〟が料理人にはなくてはならない
JR南草津駅から徒歩5分、サルティンボッカというイタリアンレストランがある。 木村シェフ(
- 新記事
- エシカルな時代がやってきた!
- 旧記事
- 長期熟成は予想以上に旨かった