肉のおいしさは切り方1つで変わるのです
公開日:
:
2012/04/27
焼肉
カメノコ、トモサンカク、カイノミ、ブリスケ
これなにか分かりますか?
・・・・・
では、“ミスジ”はどうでしょう。
知ってる!知ってる!
という方、多いんじゃないでしょうか。
これらは、牛肉の部位名で焼肉店では希少部位として
メニューに載っていたりします。
関東と関西では若干の呼び方は違うのだが
よく考えれば、10年ほど前は、焼肉店のメニューといえば
ロースにカルビ、バラがせいぜいでバリーションを増やすために
特選とか極上、特上をつけていたように記憶している。
特選ロース1人前 1,200円
極上ロース1人前 800円
みたいな感じです。
部位が細分化され、それがメニューとして登場しはじめたのは
ほんの最近のことで、特に「一頭買い」をウリにした店が出始めてからだと思う。
とはいっても、日本の和牛はアメリカの牛肉と違って部位の大量生産ができないため
どの部分を切り取っても希少部位ということになるのだが。
さて、先日のことだが、ある焼肉店でこんなことがあった。
多店舗展開している勢いのある焼肉店に伺ったのだが
驚いたことに、平日の早い時間だというのに満席で賑わっていた。
様々な部位をメニュー化していて、メニューを見ているだけでも飽きない。
数種類の肉やホルモンをオーダーして、待っている間はビールにキムチでこれまたうまい!
まず運ばれてきたのが、“カイノミ”だ。
※カイノミ:ナカバラの一部でヒレに近い部分
ところが、一瞬カイノミだと分からなかった。
もっというなら、なんの肉なのか分からなかったのだ。
答えは、カットに問題があった。
サシの多いカイノミだったのでそれなりに柔らかかったのだが
それでも食感に違和感があった。
基本通りにカットすれば、素材の良さを活かし、もっとおいしく提供できたはずだが
サシの多い肉(格付けの良い肉)で技術の無さを補っている感じがした。
A5あたりのサシの多い肉は、極端に言ってしまえば
どんな切り方をしても、ある程度は柔らかくておいしく食べることができる。
仮に、これがA3あたりで赤身の強い肉だったら、この切り方では
硬くてクレームになる可能性が大きい。
サシのある肉も旨いのだが、個人的には
本当に旨い肉が食べたい方には、ぜひとも赤身系の部位を食べていただきたい。
もちろん、赤身肉を提供するには高い技術を持った肉のプロでなければ
おいしく捌けない。
じっくりと熟成された赤身肉を、すばらしいカット技術で部位ごとにもつ力を
最大限に引き出すプロの技は感動ものである。
例えば、ランプなら極限まで柔らかでピュアな赤身肉の魅力を存分に味わえるし
少し濃厚さが好きな方には、適度な脂が混じったイチボがおすすめだ。
ヒレを思わせるきめ細かな肉質のシンタマ(シンシン)も魅力だ。
プロがカットした肉にたれは不要だ。
味付けは、塩で十分。
強火の炭火で短時間、表面をカリッと焼いて少しだけ休ませてから食べれば
最高の焼肉が楽しめる。
素材がよければ、山葵と醤油だけでも抜群にうまい。
このように、たかが牛肉ではあるが、じつに奥深い。
せっかく肉を食べるなら、ぜひプロがいる店を選んでいただきたい。
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