「おいしさ」について
公開日:
:
2012/05/10
雑記
滋賀県で近江牛のおいしい店はどこですか?
とにかくよく聞かれる。
当店の近江牛が食べられる店ならご案内できるのだが
近江八幡で焼肉を食べたい、とか彦根でステーキを食べたいといった
ピンポイントでの問い合わせには正直困ってしまう。
味の好みは人それぞれでなので、グルメランキングなんかは
アテにならないと思っている。
目安としてなら参考になるが信用してガッカリなんてことにもなりかねない。
料理の「おいしい」「まずい」は素材や味付けだけで決まるのではなく
重要なのは「用途」なのだ。
以前、私の知人がBBQをするので肉を適当に見繕ってほしと言ってきた。
100名以上の学生や20代の食べ盛りが多いということなので
質より量とばかりに、豪州産のキューブロールを用意させてもらった。
結果は、みなさん大喜び、大満足で、普段は近江牛ばかり食べている知人も大絶賛だった。
機嫌よくした知人は、余った肉を翌日のホームパーティに出して知人に振舞った。
参加者は、経営者や料理関係者が多く、普段から肉は食べなれている。
結果は散々だった。豪州産が悪いということではなく、用途による肉選びが間違っていたのだ。
こういう場合の評価は「まずい」ということになる。
つまり、用途に合っているときに「うまい」と感じ、
用途に合っていないときに「まずい」と感じることが往々にあるということだ。
もちろん、そこに素材や品質も影響することは言うまでもない。
私自身もこんな経験をしたことがある。
近所に煮干スープのラーメン屋ができたときだ。
席数が少ないということもあり、いつも混んでいる。
大学の近くにあるため、客層は大学生を中心とした若者ばかりだ。
入り口の券売機で食券を買うのだが、これがややこしい。
次に席と席の間が狭すぎて窮屈。
ラーメンができあがると、野菜はどうしますか?脂は?
などなど、聞かれることがたくさんあって邪魔くさい。
隣の学生は慣れているのか、スムーズに受け答えしている。
私は、この店のラーメンをおいしいとは感じなかった。
でも実際には流行っている。
要は、私の用途に合っていないだけなのだ。
だから「まずい」と評価するのは間違っているのであり
逆に、学生たちの用途に合っているからその人たちにとっては「おいしい」のだ。
このように、おいしい、まずいの評価は味だけではなく
おかれている状況によっても変わってくる。
ちなみに、当店でお買い物してくださるお客様も用途によって選ぶ肉が違ってくる。
ハレの日に食べる肉、お世話になった方に贈る肉
毎日の料理に使う肉、来客用に・・・などなど
TPOSによって求める肉が違うのだ。
※TPOSはTime(時間)、Place(場所)、Occasion(場面)、Style(ライフスタイル)
どのような場面においても(牛肉=近江牛.com)と言っていただけるよう努めたい。
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