プレミア近江牛が順調な仕上がりで楽しみ2倍
公開日:
:
2012/06/10
近江牛
facebookの近江牛.comファンページにうれしいコメントをいただいた。
ご紹介いただいたリンクをたどると農水省の官僚の方のエピソードが書かれていた。
農水省にもこんな方がいたんだと目頭が熱くなった。
読み進めていくとトレーサビリティを作った方のようだ。
お会いしたかったが、残念ながらお亡くなりになられているようだ。
ご興味のある方はぜひお読みいただきたい(→クリック)
7月11日に十勝、帯広でお話しさせていただくことになった。
「フードECサミットin十勝帯広」というすばらしいイベントだ。
これからレジメを作るのだが、畜産関係者の方々も来て下さるということなので
牛の話もたくさんしたいと思う。
先日、花園大学でお話しさせていただいたときに、
生徒たちに霜降り肉と赤身肉のどっちが好き?
という質問をしてみた。
数年前なら、圧倒的に霜降り肉が多かったのだが結果は半々だった。
牛は産まれて8ヵ月あたりまでは、粗飼料を中心に与えてそれ以降は
穀物飼料を与える。
その穀物飼料は、ほとんど海外品に頼っているのが現状だ。
日本の食糧自給率は40%を切っているわけだが、厳密にいえば牛肉は日本で作られているが、
穀物は輸入品だから、これは自給食糧とは言えない。
話を霜降り肉に戻すと、10年ほど前からビタミンコントロールという技術が流行りだした。
私は技術だとは思っていないが、ビタミンを欠乏させてサシを入れるというやり方だ。
牛の肥育にはビタミン剤を与えるのだが、必須栄養素であるビタミンA剤をカット
することにより、意図的にサシを入れるのだ。
驚くなかれ、カットしない場合との差は歴然なのだ。
ビタミンコントロールを行った場合、Aランクになる確率は高く等級は4~5、
BMSは8以上になりやすいと言われている。
実際は、格付け基準が厳しくなってきているので、そのあたりは定かではないが
ビタミンAコントロールによって、牛の健康を損なうことも実際にはあるので理由はどうあれ
私は賛成しかねない。
そうやってサシを入れた牛肉が、いくらキレイな見栄えをしていても
おいしいとは思えないし、自信を持ってお客さまに販売することはできない。
2年前から、木下牧場さんにお願いしてグラスフェッドによる飼育をはじめている。
自家産のサイレージ(粗飼料)を通常の2倍与えて、穀物飼料は与えない。
穀物の代わりに、地元でとれた米ぬかやおから、豆乳粕などを与えるというわけだ。
穀物を与えないで育つのだろうかと、そんな声も聞こえてきそうだが
写真のとおり健康に育っている。
もちろん、ビタミンコントロールもしていない。
ただ、粗飼料をたっぷり与えて育てているので、穀物飼料で育てた牛と比較すれば
カロリーやタンパク質の量は違ってくる。
おまけに、増体効率も明らかに劣るため、枝肉重は300kg台の可能性が高い。
当然ながら、給与できるカロリーも少ないから、サシの量も期待できない。
しかし、牛はもともと草食動物なので、自然のまま育てた結果として
サシがあろうがなかろうが、事実として病気もせずに健康に育っている。
毛ツヤも最高に良く、今月21日の出荷が待ち遠しいぐらいだ。
私は、10年後の日本の畜産のあるべき姿がこの牛のような飼育だと思っている。
7月19日に、きたやま南山にて試食会を行うが、ぜひ畜産関係者はもとより
牛に興味、関心のある方は歴史の証人になっていただきたい。
ちなみに、当日は私も南山の厨房に入らせていただきお手伝いさせていただく。
そして、肝心の料理は、南草津のイタリアン、サルティンボッカの木村シェフに
腕をふるっていただく。
楽しみすぎて今からわくわくが止まらない。
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