筋細胞外脂肪(EMCL)について
公開日:
:
2012/07/08
健康
明後日から北海道入りするのだが、講演のレジメを作成していて
「エシカル」と「健康」が今後の畜産業界においてキーワードになる予感がする。
いや、予感ではなく確信だ。
そうなるように道をつけなければいけないと思う。
ということで、「健康」のカテゴリを作成したので、過去の記事を編集したものや
新しく付け加えたものを書いていこうと思う。
ご興味のある方は、「健康」のカテゴリをご覧ください。
これから書きためていきます。
「EMCL」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
EMCLとは、筋細胞外脂肪のことで、筋肉の隙間に入り込むと、筋繊維の収縮を妨げ
結果、お腹がたるんでしまうというわけです。
筋肉は常に新しい細胞と入れ替わっていて
新しい筋肉の元になる細胞を筋衛星細胞と言います。
本来ならば筋肉になるはずである、筋衛星細胞が、
脂肪に変わってしまったもの、これがEMCLなのです。
脂肪になってしまう原因は、運動不足とタンパク質の不足です。
無理なダイエットによって、筋肉のたんぱく質が不足すると、
成長因子が減少し、筋肉が霜降りになってしまうのです。
つまりは、お腹のたるみは”サシ”というわけだ。
1年ほど前にテレビ番組でも特集されていたが、
その番組では牛に例えて解説していた。
たんぱく質が足りないと痩せていき、成長因子の分泌も減少するため、
筋肉の霜降り化につながる。
人間は、たるみたくてたるんでいるわけではないのだが
牛の場合は、肥育段階で意図的にサシを入れるので、
逆に霜降りにならなければ評価されない。
それが技術でもあるのだが、結局サシは脂なので
よく考えてみれば分かることなのだが、たくさん食べればくどくもなるし
胃もたれして当然なのだ。
グルメ番組でレポーターが、とろけますねー
なんて言ってる場面をみかけるが、そりゃ脂だからとろけわけだ。
当店の場合は、生産者にできるだけ赤身になるよう育ててもらっているのだが
それでも、遺伝的血統によってロース系にはサシが入ってしまう。
格付けが低くても、部位によってはサシが入ることがある。
牛肉の評価は、見た目(サシ)重視の格付けで決まるのだが
味はあまり重要視されていない。
だから、A5だからといって「おいしい牛肉」だとは限らないし
A4でもA3でも、おいしい牛肉がたくさんある。
それを見極めるのが、私たちの仕事なのだ。
また、どうやったらおいしくなるのかを工夫しながら
熟成させたり、精肉にするタイミングを計ったりすることも
長年の経験と知識がなせる技といえるだろう。
さて、たるみの原因となるEMCLを増殖させないようようにするために、
タンパク質の摂取は必要ということになるわけだが、では、どのようにして
タンパク質を選んで摂っていけばいいのでしょうか。
それは、赤身肉を食べることなのです。
肉の赤身部分にはL-カルニチンが多く含まれていて
L-カルニチンは体脂肪の燃焼に役立つ成分が含まれています。
つづく
関連記事
-
10月21日に「安全性」世界最高レベルなFINEPET’Sペットフードが発売開始
海外で修行した若いシェフが帰国してまず探すのは赤身の肉です。フランスやイタリアで毎日のように
-
腹いっぱい肉を食べて痩せる
48日熟成のフレンチラムラックをスキレットで焼いてみました。ラムが好きなわけではないのですが、スキ
-
ガッツリお肉を食べた翌朝はみそポタでリセット
よく聞かれることがあります。「そんなにお肉ばかり食べて大丈夫ですか」と・・・ 仕事柄ということもあ
-
近江長寿牛を食べて健康で長生きしよう!
「近江牛長寿牛」てなんですか? 昨日この写真をアップしたらこんな質問と言うか問い合わせ
-
糖質1g以下の赤身肉が人気です
今朝の「特ダネ」でぽっこりおなかの特集をやっていた。 見た目はイケメンなのに、お腹だけ