脂肪が少なく肉本来の味が楽しめる近江長寿牛
公開日:
:
2012/11/15
イベント
今日は予定していたことが早く終わってしまったので昨日の続きを書き上げたのだが
なんと誤って削除してしまった。
みなさんも1度は経験があるかと思うのだが、体の力がすべて抜けてしまうとはこのことで
また1から書く気力は相当な労力であり、つま先から全身に気を充満させたような錯覚をおこさない限り
燃えるような気持ちでPCに向かえない。
とまぁ、そんなことを愚痴っていても仕方がないので気を取り直して昨日の続きだ。
農研機構の近畿マッチングフォーラム&日本産肉研究会の意見交換会・情報交換会として
6種類の「特徴のある和牛肉」を試食したのが先週の金曜日のことだった。
聞きなれない、というか初めて目にする牛肉ばかりでわくわくしながら焼き上げた肉を
口にしたのがだ・・・
まずは焼肉用のカットよりやや厚めにカットして焼いてみた。
硬い、とにかく硬くて私が知っている経産牛の硬さを遥かに超えていた。
香りも様々で、ある肉なんかはビニール臭がしてとても食べられるものではなかった。
ものすごく失礼なことを書いているのは承知だが、私が感じたままに書いているのでご容赦いただきたい。
果たして、これを当日の試食として出していいものなのかとも思ったのだが
とりあえず研究者の方々に現状を知っていただき計算では図れない牛肉の奥深さを知っていただこうと
このように思ったわけで、しかし南山でやる以上はどこの牛肉であってもおいしく仕上げることが
プロの仕事であり、江口さんと相談した結果、試食した牛肉の特性を踏まえた上でカット方法を変える
ことにした。
それと冷凍で届いたものが不評だったこともあり、当日までに十分にドリップを出してしまい、
通常の冷蔵温度に馴染ませることで肉質が変化するのではないかと期待した。
さて、当日、奇跡が起こった。
奇跡とは大げさかも知れないが、それほどまでに私の中ではあり得ない肉質であり味だったのだ。
研究としての肉ならそれでも良いだろうが、私は販売の視点で試食をしたので少々厳しく
みさせていただいたということもある。
驚くほどおいしく仕上がっていたのだが、香りもよくサシが入った肉では味わうことができない
「噛み応え」と食後のスッキリ感、すばらしいの一言だ。
もちろん、各牛肉の飼育状況などのストーリーも講演でお聞きしているのでそのあたりも加味している。
たとえば、「放牧仕上げの熟ビーフ」は、穀物飼料で肥育された牛の約2倍の共役リノール酸が
含まれるということやω-6脂肪酸とω-3脂肪酸をバランスよく含んでいることでヘルシーに
仕上がっている。
さらに、耕作放棄地に経産牛を放牧することで除草管理や鳥獣被害を軽減させることにも役立っている。
といったことを事前にインプットされているのといないのとでは一味違うというものだ。
ともあれ和牛はサシ優位で評価されるが、それはそれで先人たちが築いてきた努力の賜物なので
これからも重要視されるべきなのだが、それとは別の評価があっても良いのではないかと思うのだ。
サシがすべてのような取り組みをされている生産者や販売者には理解できないかも知れないが、
生産者を守るため、牛や人間の健康を守るためには必要なことだと常々思っている。
当店でも経産牛を近江長寿牛として販売しているが、熱烈なファンがいる。
リブ&サーロインはドライエージングにしておいしく仕上げているのだが
カタロースやモモ系は焼肉用にカットして通常販売している。
スーパーや百貨店のバイヤーたちは、こういったすばらしい牛肉が日本にあることを知って欲しいし
世に出すためにぜひ協力していただきたい。
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