霜降り肉と赤身肉の2極化、さてあなたはどっち派
公開日:
:
2012/11/17
雑記
京都ホテルオークラで開催された「信州プレミアム牛肉」の発表会に参加してきた。
京都食肉市場の関係者が主な来賓であり、私は関係ないといえば関係ないのだが
せっかくお誘いをいただいてので末席に加えていただいた。
前日が、農研機構の赤身肉にどっぷり浸かった1日だったのに対して
この日はま逆の「サシと香り」を評価基準とした1日となった。
「信州プレミアム牛肉」は、見た目の評価だけではなく、オレイン酸測定機を使って
味の検証も評価項目に入れているということだった。
とうとうここまできたかという感じだ。
京都ホテルオークラの料理長がフレンチのコース仕立ててメニューを組み
デザートのアップルケーキを入れて8品目の豪華な品々に私のお腹ははち切れそうだった。
さて、和牛の代名詞ともいえる「サシ」が消費者の間では薄れつつある。
とはいっても、先ごろ長崎で開催された全国共進会で最優秀枝肉賞に輝いたのが
1キロ当たり4万6660円(1頭2063万7718円)というから生産者にとっては励みとなる価格だ。
しかし、畜産関係者と消費者の価値観はかなり差があることは消費者に近い立場で商売を
している私にとってここ数年、ひしひしと感じることでもある。
「霜降り信仰」の崩壊と某雑誌には書かれていたが、そこまではいかないまでも
好みの2極化は消費動向に顕著に表れているのは事実であろう。
私もサシのある肉よりも赤身を好む。
とりわけ外食でサシのある肉を食べることはほとんどない。
シェフがどのような能書きを言おうが食べる前から肉をみれば味の想像ができるのだ。
たまに期待を裏切られることもあるが、そんなのは稀でほとんどの場合、2切れも食べれば
十分満足してしまう。
そんなことを言っても、おまえとこでも霜降り肉を販売してるやないかと反論されそうだが
1頭仕入れをしている以上、ロースもバラもあるわけで当然ながら格付け評価が低い牛肉でも
多かれ少なかれサシがはいるのだ。
だから私は、A5は年に1~2回程度であとはA3あたりを好んで仕入れるようにしている。
霜降り肉を否定するわけではないが、融点が低い雌牛の肉であってもくどいものはくどい。
当店で販売している霜降り肉は「あっさり」しているとの意見が多く寄せられる。
こう書くと他所を否定して自分ところの肉を正当化しているみたいに思われるかも知れないが
生産者を限定して、なおかつ格付けで目利きしていないため比較的サシが入っていても
あっさりとした食感であることは自信を持って言わせてもらってもいいかと思う。
さらに、先日の日本産肉研究会で講演された新宿溝口クリニックの定先生も赤身肉推進派で
定先生は、分子栄養学の観点から赤身のお肉を食べることを力強くおっしゃていた。
とはいっても最終的には好みの問題で、ブランド牛で心の満足をしたい方もいれば
糖質制限やダイエット目的で炭水化物を制限して赤身肉を積極的に食べる人もいるでしょう。
生産者にとっては赤身の牛を育てるよりもサシをたくさん入れて共進会なんかで
優秀賞をとるほうがやりがいがあるとは思うのだが、私は私自身が食べて旨いと思える肉だけを
これからも販売していきたいし、そういう牛を育ててくれる生産者を応援していきたい。
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