謙虚さ、パッション、夢、この3つの〝食材〟が料理人にはなくてはならない
JR南草津駅から徒歩5分、サルティンボッカというイタリアンレストランがある。
木村シェフ(真中)の料理に魅了された人たちで連日賑わっている。
牛肉の扱いがとても丁寧で、木下牧場の近江牛がいつでも食べられるという私にとってもありがたい店なのだ。しかもどう考えても利益がとれているような値付けではないので、いつだったか「大丈夫ですか?」とお聞きしたことがあった。
おいしいお肉の存在を知ってほしいのでお肉に関しては利益度外視でやってますとのことだった。
ところで、写真の右端はサルティンボッカのスタッフではなく、きたやま南山の江口店長代理だ。焼肉店のスタッフがイタリアン?と不思議に思われるかも知れないが、木下牧場の肉繋がりでお互いが行き来し学びあっているというわけだ。
私たちが取り組んでいる、サステイナブル畜産は、生産者~流通者~販売者~レストランや消費者の食卓へと安全と安心を運ぶ「Farm to Table(牧場から食卓へ)」を実践しています。
それは業界の垣根を越えた新しい取り組みであり、理想とする環境だと思うのです。料理人が畑違いの料理を学べる機会なんてそうそうありません。それが肉で繋がるなんてすばらしいじゃないですか!
「オステリア・フランチェスカーナ」のマッシモ・ボットゥーラは、謙虚さ、パッション、夢、この3つの〝食材〟が料理人にはなくてはならない、といっています。
教わる立場は、技術(料理)を学ぶだけではなく、3つの食材もぜひ学んでいただきたいものだ。
謙虚さ、パッション、夢、この3つは私も常に意識している。
謙虚でいれば常に新しい発想と出会うことができる。
今年は会いたい人、行きたいところへ積極的にでかけた1年だった。
パッションがあれば行動が伴う。
真面目に生きていても不条理なことやどうしようもない困難に出くわすことがある。
でも、そういうときこそ夢を語るように心がけている。
いよいよ明日から超多忙な1週間がはじまる。
忙しいときほど丁寧な仕事と謙虚な姿勢で、おいしいお肉を全国のみなさまにお届けできるよう全力で取り組ませていただきます。
関連記事
-
-
心ある料理人の心ある料理
クレメンティアの田淵シェフの探究心あふれる牧草焼きは、土も藁も牛も人も関わるすべての人が幸せ
-
-
肉質、脂質、資質、すべての質を上げる
フランスは畜産大国で一度は行ってみたいと思っているのだが 先日出会ったmasayoさんから
-
-
「食べ方は生き方」という考え方
昨年の9月11日にきたやま南山にて行われた放牧アンガス牛を食べる会は今思い出しても感動的だった。東京
-
-
田野畑山地酪農「志ろがねの牧」のボス牛「シチロウ」肉になる
きたやま南山の元店長、春菜ちゃんの嫁ぎ先、田野畑山地酪農(岩手県)にシチロウという名前の種雄牛がいる
-
-
蟹の話、エシカルについて考えてみる
いつも行くイタリアンのお店で必ず頼むのが、海の幸カルパッチョだ。 これが抜群にうまくて、こ