牛肉を通して新しい食の可能性を見出すために
数年前の話だが、友人が近江牛みそ漬けを購入してくれたときのこと。
感想もくれていたのだが、会ったときにニコニコしながら、肉を食べない娘が喜んで食べてくれて本当にうれしかった!と話してくれた。
別の友人は、近江牛ミンチでハンバーグを作ると、子供たちの食いつきが違う!
とこれまた笑顔で話してくれた。
じつは、当店に寄せられる多くの感想のうち、お子さんに関する喜びの声が大半を占めており、リピートされるお客様は、当店に安全で安心な牛肉を求めていることがわかる。
では、いったいなにをもって安全なのか?
抜け道はいくらでもあり、偽装が絶えないのが食の世界であり、ブランドは浸透していてもそれが本物かどうかなんて確かめようがない。証明書やパッケージなんて簡単に模倣できてしまう。
ところで、当店の肉を食べだしてから子供が他所の肉を食べなくなった。という感想をいただくことがある。他所の肉がなんなのかは分からないが、肉に限らずファーストフードやレトルト食品などの影響で、食環境が乱れているのは確かなようだ。
フランスの三ツ星レストランのシェフたちが取り組んでいる、Lecon de Gout(ルソン ド グゥ) 味覚の教育が日本でも一部のシェフや団体によって活動されているが、今後は間違いなく注目されるキーワードであることは確かだ。
さて、現在、県内産の飼料100%で近江牛を育てているのだが、無謀なチャレンジと言われながら今年の10月には2頭のすばらしいプレミア近江牛を出荷することができた。
試験期間も終わり、来年の10月からは月2頭ペースで本格的な出荷がスタートする。最終的には全頭県内産飼料での飼育を目指しているのだが、現状ではまだまだ飼料が安定して集まらない。しかし必ず実現できるものと確信している。
私が牛の飼料こだわるには訳がある。
かなりの長文になるのでいつか時間のあるときにでも書いてみたいと思っているが
つまりこういうことだ。
「動物が食べたものが私たちのからだを作ります」
短くまとめすぎたが、知人の子供が食物アレルギーで苦労されている。
「親だけでは子どもを守れない」というメッセージは身につまされるものがある。
焼肉は食べられるらしくて、私にもなにか協力できることがありそうだ。
2013年、牛肉を通して新しい食の可能性を見出していきたい。
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