プライオリティの決め方
公開日:
:
2013/02/08
雑記
先日、京都のステーキ店にて熟成肉の試食会を行った。
以前より、店のオーナーや料理長と懇意にしていたこともあり、一度私の肉を食べてみたいとの要望から1年越しで実現したのだ。
じつは、熟成肉は肉質等級A3以下でサシの少ない、どちらかというと赤身の多い肉が最適だと思っているので、今回用意したA4の熟成肉は例外中の例外なのだ。
これには理由があって、昨年末に熟成庫に入れる肉がなかったのだ。
12月の繁忙期はどの農家さんも渾身の牛を出荷するのでA4とかA5がどうしても多くなる。
2月に販売する熟成肉がないというのも、これまたお客様に迷惑がかかるというもの。
ならばと、なるべくサシ少ないA4のロースを2本熟成したというわけだ。
しかし、思いのほかサシが入っていて、どうしたものかと思案していたのだが、使いたいといってくれるシェフが多く、それならばと私も味見を兼ねて出かけて行ったのだ。
オーナーも料理長もサシのある肉は苦手ということで、私が持って行った肉に面食らったようだったが、最終的には200gを完食し、サシのある肉をこれほどあっさり食べられたのは初めての経験で感動したとまで言っていただいた。
ということで、京都のちょっとええとこで熟成肉と私が選んだ近江牛が食べられます。
いまなら希少な藤井牧場さんの近江牛が食べられますよ。
場所は公表できないので、私の友人に限りそのうちお連れいたします。
割り勘ですけど(笑)
さて、2001年といえば、畜産業界に関係している方なら「BSE(狂牛病)」を連想するのではないでしょうか。物忘れの激しい私でさえこの当時の出来事を事細かく月日で記憶しているぐらいですから。
当時、糸井重里氏の「インターネット的」という本を読んでいたのだが、「プライオリティの決め方」というページがあってこんなことが書かれていた。
自分の「やりたいこと」は何なのかを探すことが、実は一番難しいことで、それを探したらもう失敗なんてありえないとさえ言えるのです。
選ぶときのプライオリティとは、自分の生き方に関わるものだと言えるので、自分が生きるときのプライオリティが先に問われているのだと思います。
自分が一番欲しいものは何なのか、自分が一番守るべき人は誰なのか、自分が一番やってはいけないことはどういうことなのか。
「プライオリティ」かぁ、なんか考えさせられるな、と当時自分の歩む道について真剣に考えたことがあった。現在私が取り組んでいることも含めて間違った選択ではなかったと自信を持っていえるのだが、ほとんどの同業者が選ばない道を選んでしまったことは確かだ。
と、ここまで書いたところで、もうすぐレストランをオープンする茂野さんが熟成肉を選びにやってきたので続きは次回にでも。
これもプライオリティかと(笑)
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