シチロウの肉、熟成具合もバッチリで当日はかなり期待できますよ
公開日:
:
2013/04/19
イベント
いよいよ来週に迫った、『放牧の種オス牛「シチロウ」を食す会』
18:45分から公開捌き(脱骨作業)の予定で調理場との調整も進めていたのだが、ここにきて想定外の出来事が起こってしまった。
熟成庫に入れて今日で46日目、50日をメドにドライエージングさせているので25日のイベント開催日にはうまく菌がついてくれてキレイなカビがロース断面を覆う予定だった。
以前、短角牛をドライエージングさせたときは、30日でまったく菌がつかず、ならばと40日に引き上げたところ、これでも菌がつかなかった経験から、シチロウの肉は50日に設定したのだ。
肉質からおそらく大丈夫だろうと予測はしていたのだが、本日熟成庫から出してみたところ、熟成が進みすぎているではないか。
菌もうまく付いておりカビも確認できるのだが、熟成香が強すぎる。いままでにない強さでこのままあと6日間熟成庫に入れ続ければ、おそらくヒレが耐え切れずに腐ってしまう可能性がある。ロースもトリミングする箇所が増えて参加者全員にシチロウを振る舞えなくなるかも知れない。ということで、急遽、脱骨作業を早めることにした。当日、楽しみにしていたみなさま、このような事情のため申し訳ございません。
シチロウはロース&ヒレ(骨付き)で17.3kgあったのだが、骨を抜いた後は11.3kg(内ヒレが2.3kg、ロース9.0kg)だった。ここから脂や筋を取り除いて、さらに変色した部分をトリミングすると5.0kg程度になると思われる。
イベントでは、牧草焼きと焼肉でメニューを考えていたのだが、どうやら牧草焼きのみになりそうだ。もちろん、他の料理もあるので参加者をガッカリさせることはない。むしろ喜んでもらえるメニューをまだまだブラッシュアップして当日に備えたい。
リブとサーロインを切り分けると真っ赤な肉があらわれた。自然界で草食で育ったシチロウらしい肉質だ。骨は意外と抜きやすくて作業的には経産牛より楽だった。ただ、肉と骨の間にある骨肌がまったくなく、よほどキレる包丁でないと骨に身が付きすぎて歩留りが悪くなる。脱骨作業をしていても、まるでシチロウが抵抗しているようだった。
右奥がヒレだが、ロースと比べるとかなり色が濃く、25日まではおそらくもたないだろう。この状態でウェットエージングに切り替えて当日まで冷蔵庫で保管することにした。
さて、問題は味だ。柔らかさはうまく菌がついてくれたので、そこそこ柔らかくなっていた。食べたわけではないが、肉を触るだけで硬い柔らかいは瞬時に分かる。これは経験があればある程度わかることで、肉の職人は指が探知機のような役割をしている。香は独特の甘いナッツ香を確認することができたので、熟成肉としては完成度が高いといえる。
もう少し席がご用意できるようなので、時間の都合がつく方はぜひご参加お待ちしています。
過去記事(→クリック)
放牧の種オス牛「シチロウ」を食す会
日時:2013年4月25日(木)
時間:19:00~21:00
会場:きたやま南山
会費:6,500円(ワンドリンク付き)
申込み方法:サイトのフォームから(→こちら)
facebookページ(→こちら)
きたやま南山へ直接電話:075-722-4131
関連記事
-
ポッサムチプにてジビーフと木下牧場の近江牛
11月29日は(イイニク)の日ということで、兵庫の焼肉『ポッサムチプ』さんにて但馬系の純粋近江牛とジ
-
吉田全作×新保吉伸 築地八海山にて
過日、築地の八海山東京営業所にて「吉田全作×新保吉伸」の業界ナイショの話という、なんとも意味
-
ダイニングMOO 熟成肉と地元野菜を食べる会は心も体も大満足だった
この写真は3年前のものだが、2001年頃から時間があればこんな感じで木下牧場や後藤牧場、藤井
-
赤身2種類、霜降り1種類を見事に料理していただきました
親しくさせていただいている日本料理のお店に無理を言って肉を持ち込ませていただいた。ここのご主
-
瓢亭15代若主人高橋義弘さんが創りだす和の世界観
第30回目となる肉Meetsは、京都南禅寺の瓢亭さんで開催しました。瓢亭さんといえば日本を代