よみがえりのレシピ上映会は7月24日きたやま南山にて
公開日:
:
2013/07/04
イベント
アルケッチャーノの奥田シェフが山形の庄内平野で巻き起こした奇跡がすばらしい映画になりました。この映画をとおして大切な子どもたちを守るために、私たちになにができるのかをみなさんと一緒に考えていければと思います。
ということで、きたやま南山さんにおいて7月24日(水)に「よみがえりのレシピ」上映会が行われます。同時に「夢いっぱいに食の未来を語る会」も開催され、私も少しだけですがお話しさせていただきます。お時間のある方はぜひお越しください。
先日、あるホテルの料理長と話をしていたのですが、ホテルの厨房では本物の料理人は育たない、というようなことを話されていました。母体が大きくなればなるほどその傾向は強く、つまり1分単位で管理されている労働規則で縛られた中では、料理人は育たないと言うのです。
料理長自ら、私たちはサラリーマンですからと寂しいことを言われていましたが、実際に内情を伺うと8時間労働で週休2日制、働きたくても働けない現状があるのだそうです。
さらに、独立の夢があり、海外で修行した若者たちは帰国後ホテルに就職する確率は低く、個人経営のレストランで働き、独立のチャンスを待っている、そんなこともおっしゃっていました。
私はホテルとの取引は一切行っていませんが(今後も行うつもりはありません)、楽しそうに料理を作っているイメージがどうしてもわかないのです。たとえばホテルのフレンチはかなりの確率でメインの牛肉にソースをかけるのですが、あれじゃせっかくの肉が台無しです。
肉の味がしない輸入肉に慣れているせいなのか、和牛にもソースをかけるものだから、赤身でもくどくなってしまうのです。肉がくどいのではなくソースがくどいのです。肉のことをもっとわかってほしいと真剣に思ったりします。
アルケッチャーノの奥田シェフのモットーは、「ソースをなるべく使わない」ことだそうです。ソースがいけないのではなく、どうすれば食材の良さを生かせるのだろうか、そのためには食材を知り、そして日々勉強して経験を積むしかないのです。
冒頭の料理長がおっしゃっていたホテルで料理人は育たないという言葉、私はホテルに勤めたこともなければ10年以上取引したこともないが、ホテルのレストランで食べる肉は胃袋は満たされるものの心までは満たされない。そんな気がします。
もちろんすべてのホテルに当てはまるわけではなく、私の少ない経験からなのだが、いくら良い食材を使おうが一流のシェフが料理しようが、心が満たされなければ再訪はないのではないだろうか。
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