いよいよ近江プレミアム牛一般販売へ
公開日:
:
2013/12/02
近江プレミアム牛
私が牛舎へ行くとお産の確率が高いそうですが、もちろん偶然です。写真は産まれたばかりの子牛ですが、牛は人間と同じく妊娠期間はほぼ約280日。人間と大きく違うところは2才(生後24カ月)でお母さんになり、10才~12才ぐらいで7~10頭(平均的ですが)の子牛を産んで一生を終えます。そう思うと木下牧場で16産とか17産するお母さん牛はすごいとしか言いようがないのです。
昨日は、姫路で開催されたミートフェアに出かけてきました。250頭の枝肉を全国から駆けつけた牛肉のプロたちが購買するわけです。生産者が丹精込めて育て上げたすばらしい枝肉が所狭しとぶら下がっています。1頭1頭じっくり見ている余裕なんかありません。そんなことをしていたら他の方たちに買われてしまいます。
いつも慣れている近江牛のせりと違ってこちらは早い者勝ちです。スタートと同時に走って冷蔵庫内へ向かいます。そして枝肉に張り付けてある紙に名前を書いて複写式の1枚目をちぎるのです。
私はというと、いつものクセでついついじっくり目利きしていてお目当ての枝肉は買えずじまい。結局、見学するだけとなってしまいました。
味見してみたい肉があったので残念だったのですが、他県の生産者が作る肉をたくさん見ることができてそれはそれで勉強になったので、まぁ、ええかなという感じです。それにしてもすばらしい枝肉ばかりでした。瑕疵も少なく牛に無理させずにキレイにサシが入った極上のものが揃っていました。
もし、ここに近江プレミアム牛が並んでいたら、おそらくだれも購買しないだろうな、なんて考えながらよく冷えた冷蔵庫内で少し風邪気味の体を震わせていたのですが、枝肉の購買ポイントは格付けによる見た目しかありません。その場で味見できるわけでもなく、自らの経験と格付けをすり合わせて好みの枝肉を選んでいくのです。
となると、見た目がA2レベルの近江プレミアム牛はだれも見向きはしないでしょう。小さくてサシもなく完全に他の枝肉に比べて見劣りします。もちろん価格的にA2レベルなら購買してくれる片もいるでしょうが、A5以上の価格ですからね。つまりこういうことなのです。見た目がA2で価格がA5、そりゃだれも買わないですって。
12月5日に3回目となる近江プレミアム牛が入荷するのですが、枝重が350kgぐらいありそうです。少しずつですが良くなっていく実感があります。1回目、2回目は飲食店向けに販売させていただいたのですが、2回目のウデとカタロースのみ本日より一般のお客様に販売し始めました。
すでに、わくわく定期便の会員様には発送のタイミングが合う方のみお試しいただいたのですが、私の予想をはるかに超えたうれしいご感想を頂戴しています。とにかくおいしいと・・・。
12月は毎週のように共進会(枝肉のコンテストのようなもの)が開催されます。生産者が自慢の1頭を出品するのですが、1円でも高く売れると顔をくしゃくしゃにして喜ぶわけです。そういう姿を見ていると私もうれしくなります。
ただ、年々優秀賞に輝いた枝肉に魅力を感じなくなってきているのも事実であり、私の「ものさし」はサシ優先ではなく、これからも信頼できる生産者の側で私がおいしいと思った肉だけを販売し続けていきたいと思うのです。
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