10/15の肉Meetsはお泊りです
飼料(エサ)の影響って大きいですね。「私たちが食べている動物がなにを食べているかで私たちの健康が決まる」 ・・・ まさに言い得て妙です。
昨日は、セトレマリーナびわ湖(→)の長田社長はじめ北尾マネージャー、益田シェフ、菊池さんを木下牧場さんへご案内させていただきましたが、私はいつもいろんなところで話していることを伝えただけなのですが、すごく楽しかったです。じつは、同じ内容でもまったく楽しくないこともありまして、それは相手の姿勢だと気がつきました。
この10年余り、私たちの取り組みや肉を扱う前提として、また扱っているからこそ現場を見てみたいという方々をご案内してきましたが、ポーズだけの人も結構多かったように感じます。つまり「牧場へ行った」という行動に満足して、それが産地とつながっているような勘違いをされている方が結構いたりします。
そういう方々に説明していても、なぜか楽しくないのです。なんというか目の輝きが違いますね。昨日のセトレマリーナびわ湖のみなさんのようにキラキラしていないのです。
この12~3年、テレビや雑誌に掲載していただいた影響もあり、全国の飲食店やホテルからご相談や取引依頼が結構あったりします。とっても光栄でありがたいことではありますが、ことホテルに関してはあまり気乗りしないというか、結果的に取引しないよう、いや、ハッキリ申しまして取引したくないのです。好き嫌い言ってる場合ではないのですが、自分の信念を曲げてまで肉屋やりたくないわけでして、、、
頻繁ではないのですが、たまに県内のホテルからも問い合わせや取引依頼をいただきます。私の考え方などをお話ししたうえでハッキリとお断りさせていただくのですが、ほとんどの場合、電話の途中で、分かりました、結構です。で終わってしまいます。よほど私無愛想なんでしょうね。
乗り気じゃない理由はいろいろありまして、考え方がまったく違うということが第一なんですが、いくつか挙げると、売り上げに対して納入業者が多すぎること、そうなると必然的に生じる価格競争がストレスなる、シェフの一存では決められないことが多すぎる、支払サイトが長すぎる、体裁のいいことばかり言うわりには結局、質より価格優先、協賛の要求もあったりして ・・・とまぁ、こんな感じで面倒くさいことだらけなのです。
いやいや、うちはぜんぜん違うよ、ってホテルがありましたらぜひともご一報いただきたいです。もちろん取り引き前提で、、、ということになりますが。あつかましくてすいません。
まずは見積もりを、なんて言われることも多いのですが取引する気がないので当然見積もりは出しませんし、他社と相見積もりで価格を比べてから連絡します、なんて平気で言う人いますからね。神経疑いますね。見積もりって結構手間仕事で、結局はこちらの労力ばかりなんですよね。そこに時間を使うぐらいなら冷蔵庫の中で肉を眺めていたほうがよほど気分転換になるというものです。
私は、出張時にホテルを利用することが多いのですが、国内のホテルに宿泊してもレストランで食事をするということは、おそらく過去1度あるかないか程度だと記憶しています。別にホテルに敵対心を抱いているわけでもトラウマがあるわけでもありませんが、価格に見合ったいい料理が食べられるとは到底思えないのです。
近頃のシェフは労働時間の順守、週休2日制など、雇用側から見れば年々就業規則が厳しくなり、シェフがしっかりと料理をマスターすることは、今後益々ホテル勤務では厳しいように感じています。1日7時間や8時間労働では、しっかりした料理は覚えられません。
労働時間をオーバーすれば、労働基準局に駆けこまれたり、新入社員なら両親が怒鳴り込んでくるかも知れません。下手すりゃブラック企業の烙印を押されかねませんしね。上からは早く帰れとせかされて・・・
ですから料理をしっかり覚えたければ海外へ出るか、オーナーシェフの下で修行するのがいちばんいいと思うのです。飲食業界は万年人手不足です。募集してもアルバイトさえ来ませんからね。ちょっと叱れば辞めてしまい、応募しておいて面接に来ないなんて話は全国いたるところで聞きますから、ほんとにどうなってるのか、って感じです。一人前のシェフになりたければそりゃ厳しいですよ。
なんだかシェフの愚痴を代弁してるようですが(笑)、、、話を戻しますと、セトレマリーナびわ湖のように社長自らが牧場へ出向いて生産者の話しに耳を傾けることはいままでありませんでした。普通はないですよ。企業のトップ自らが生産者の話しを雨の中傘もささずに聞いているんですよ。凄いですよ。スタッフとの会話を聞いていても社内の風通しが良いことが伺えます。つまりシェフがやりたいことが通りやすい環境であるということです。これってすばらしいことです。このような想いの強い企業に対して、生産者や私のような立場の人間が心から応援したいと思えることが、これから先のセトレマリーナびわ湖の強みになっていくと思うのです。
生産者は志の高い方々に肉を使ってもらえることが喜びであり、それは私にとってもうれしいことです。シェフは生産者の顔を浮かべながら肉と対峙し料理にしていく。これってできそうでできないんですよね。問屋が持ってきた肉を捌くだけではどうしても機械的になりがちです。自信を持って提供できる料理は、素材であり技術であり経験であり知識であり、そしてなによりも生産者の想いを受け継いで命あるものを一皿に再構築するキモチちだと思うのです。だからポーズだけでは心のこもった料理はできないのです。続かないですよ、シェフもお客さんも。
滋賀におすすめするホテルはいままでなかったのですが、これからは自信をもってご案内することができそうです。
少し先になりますが、10月15日(水)、セトレマリーナびわ湖において肉Meetsを開催いたします。すばらしい景色と料理、館内もあちらこちらに感動があります。ぜひご参加いただけるとうれしいです。肉Meets初の宿泊になりますがいまからスケジュール調整をお願いします
日時:2014年10月15日(水)
場所:セトレマリーナびわ湖
募集:28名
部屋数:14部屋のため1室2名となります。
会費:35,000円(宿泊と2食付)
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