業務用の新規取引に関しまして
公開日:
:
2014/07/05
雑記
ここ最近、新規の取引依頼が急増していまして、もちろんありがたいことではありますが、やみくもに取引先を増やすことをしておりませんので、けっこうお断りすることが多く申し訳なく思っております。このブログをご覧になってのお問い合わせもかなりいただきますが、あまり積極的ではない対応にガッカリされていることと思います。
私の考え方は、売り上げ重視のビジネスではなく、同じような感覚を持った料理人の方と一緒にやっていきたいのです。共感と言うとありふれた言葉になってしまいますが、言いたいことを言い合える友達のような付き合い方をしたいわけです。ですから、食事に行っておいしくなければおいしくないと言いますし、実際に、何度か指摘したにも関わらず生産者や私の意見が反映されないことがありまして、取引をやめさせていただいた事例もございます。
肉が粗末に扱われれば悲しくなりますし、皿から数字が見えればどんなに良い肉を使っていてもおいしくないですからね。皿から料理人の愛を感じるか、数字が見え隠れするかでは大きな違いです。
たとえば熟成肉。現在問い合わせの大半が熟成肉ですが、食べたことがないという人がほとんどなのです。それで取引がしたいっておかしいでしょう。まずは、食べてからだと思うのです。電話注文でもいいですし、近江牛.comでも購入できますから。そして気にいってもらえたのであれば次の段階だと思うのです。いきなり見積もりがほしいという方もいますがこの時点で終わってますよ。
牧場見学の申し込みも多いのですが、すべてお断りさせていただいております。伝染病の問題などもありますが、取引もしていない見ず知らずの人を牧場へお連れすることはありません。以前は、取引前提ならとお連れしていたこともありますが、動機が不純なものが多くどちらにしても時間の無駄です。生産者も私もそれなりに忙しくしていますのでご理解いただきたいと思います。
うちは小さな会社ですが私1人でやっているわけではなく、数名の社員がおります。たくさん肉を売って利益をださなければ給与が支払えません。でも、ポリシーがありまして小さな市場のなかで一生懸命やってるわけです。
先日、経産牛を2頭屠畜して肉にしたのですが、子供をたくさん産んでくれたお母さん牛ですから大切にしたいわけです。いわば功労者ですよ。ですから信頼のおけるシェフの元へ送るわけです。商売ですから利益は必要ですが、こういう牛から利益をとったらダメなんです。それよりおいしく料理してたくさんのお客様に食べていただきたいのです。
利益をいただくところはしっかりいただきますが、肉によってはタダ同然でもいいわけです(言葉汚くてすいません)… だからこそ取引先を、料理人を選びたいのです。
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