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Yves – Marie LE BOURDONNECは人も中身も濃かった

公開日: : 2014/11/23 フランスの旅

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せっかくなのでイブ=マリ・ル=ブルドネック(パリの肉屋)にも会いに行こうということでMさんにアポイントをお願いしておいた。何度もやりとりしていただいた甲斐あって待ち合わせの時間にはすでに店先で腕組み状態で待っていてくれた。まず目についたのが日本でもあまり目にすることがない獺祭の樽だ。

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これだけでイブ=マリの存在がぐっと近くなったような気がする。本を出したりドキュメンタリー映画が公開されたばかりということで超多忙のなか時間を作ってくれたようだ。本をプレゼントされたので中身を見ると、世界を旅して各国の肉事情に触れている様子が載っていた。私が知ってる顔もチラホラあったので益々身近に感じてしまった。

店頭のショーケースを軽く見た後に冷蔵庫へ案内してくれた。冷蔵庫へ向かう通路ではイブ=マリの息子がシャルキュトリーを作っていた。日本の肉屋では見ない光景だ。いや、日本には揚げ物文化があるので、コロッケとかトンカツの衣をつけている作業と同じようなものだろうか(ちょっと違うか)

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あまり大きな冷蔵庫ではないが、質のよい牛肉や豚肉が所狭しと吊られていた。やっぱり気になるのは熟成肉。日本の熟成肉ブームは少し落ち着いてきたようだがこの先はちゃんとしたところだけが残っていくのではないでしょうか。そんな気がします。それとわざわざ熟成肉を謳わなくても私はいいように思っています。お客様から聞かれれば答える程度がスマートかなと…

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冷蔵庫で40~50日程度熟成させた肉は、店頭のショーケースへ移されるようです。ただ、これはあくまでもディスプレーを兼ねているんでしょうね。冷蔵庫の空気循環は簡単なものだったが確かに理にかなっていて、後日訪ねた5坪程度のBOUCHERIE(肉屋)でもそれは確信しました。イブ=マリがいう熟成肉は、牛選びが重要で英国種を好んで使っているとのことだった。

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日本産ではないがWAGYUも売れ行き好調なようだ。ただ、ラジオのインタビューで「環境にいいものをやっているのに、なぜWAGYUをやっているのか?」という質問に対して、お客様が求めているからやってはいるが、いつなでも続かないだろうと… どうやらWAGYUはブームであって長続きしないだろうという見解らしい。

おもしろいのはWAGYUは環境によくないというインタビュアーの質問だったが…

たしかにそういった農場も存在することは事実ではあるし、サシ=脂が健康的かと言えば私は断然違うと思っています。融点が低くてどうのこうの言う人もいるけど脂はどこまでいっても脂ですから。

場所を変えてイブ=マリとビジネスの話しもしたのだが(その話はおいおいと)フランスで好まれる牛は大きくて肉がたくさんとれる牛だそうで、味は二の次のようだ。イブ=マリいわく、昔はそうじゃなかったと。

どこの国も同じだなと思って聞いていたのだが、和牛だって数年前まではこれほどまでにサシを追い求めていなかったはずです。いまは競うようにどの農家もサシを入れたがるがリスクとして確実に味が落ちています。研究者や農家の意見もあるだろうが、実際に肉を扱う肉屋や料理人がサシ離れをしている現実をもっと知るべきだと思う。

格付けに関係なく、A2でもA5でも同じ価格で売買できればどれほど楽だろうか。霜降りが好きな人はそれを買えばいいし、赤身を好きな人は赤身を買えばいい。そうすれば牛に無理やりサシを入れるような飼育もなくなるだろうし、自然のまま育てて出荷して環境にもいい取り組みも増えるんじゃないだろうか。とまぁ、そんな簡単な話ではないがとにかく、なにかを追い求めればリスクがあるということは万国共通だと感じた次第です。

もう一度書いておきますが、フランスは赤身を追い求めて、日本はサシを追い求めて、そしてどちらの国もリスクは「味の低下」ということです。

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ユーゴデノワイエ、イブ=マリ、スーパーの肉売り場、デパートの肉売り場、MIYABI牧場など一通り回って1つ気づいたことがある。それは私も含めた日本の牛肉に関わる方々がフランス産の牛肉に関して大いにに勘違いさせられていることだった。このことは後日書いていくが、この後TGVに乗ってブルターニュへ。Mさんがどうしても食べさせたいクレープがあるというのでレンヌで途中下車したのだが、まさかクレープで感動させられるとは思わなかった。

 

 

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