今年最後の肉Meetsはイルジョット&クレメンティアのコラボで締めくくり
2014年を締めくくるべく今年最後の肉Meetsは、イルジョット高橋シェフ×クレメンティア田淵シェフのコラボが実現しました。さらにエーテルヴァインの佐々木くんがワインを担当。クレメンティアの内田シェフと高橋シェフのお友達シェフも参戦でもうなにがなんやらわけがわからない状態です(笑)
仕込中からこんな感じでノリノリです。
この日の主役たちは、熟成肉(右下)、近江プレミアム牛(左)、ホワイトヴィール、愛農ナチュラルポーク、そしてジビーフ(奥)と私の持ち駒をすべて出し尽くした感じです。
料理内容は、高橋シェフと田淵シェフのお得意のものがでたり、コラボ料理があったり(肉は田淵シェフが焼いてソースを高橋シェフが担当するなど)かなり濃い内容で大満足でした。
ジビーフのヒレはヤバいくらいおいしかったです。
この日の午前中は、(株)宝山@荻沢さんの案内で芝浦の食肉センターを見学したのですが、おかげさまでよい勉強をさせていただきました。さすがにと畜現場を見ることはできなかったものの、DVDでその様子を見せていただきました。と畜はグループ作業なのでいかにチームワークが大切なのかを実感するとともに、牛から肉になるまでの作業は何人もの人の手を通って、あぁ~肉のひとかけらも無駄にできないなと改めて胸が熱くなりました。
いとも簡単に、まるで流れ作業のように牛が解体されていくのですが、どの工程においても数秒でもズレが生じればすべてが狂ってしまう緊張感たっぷりの現場の様子が伺えました。特に背骨を大きなノコギリで割っていく「背割り」という作業は、普段枝肉を見慣れている私なんか思わず掌を握りしめました。1㎝ほどの背骨の真中を寸分の狂いもなくノコギリを入れていくわけですから、ちょっとでもズレれば一番高価なヒレに傷がつき価格に影響しかねないのです。
イルジョット高橋シェフとクレメンティア田淵シェフの連携も呼吸が合わなければちぐはぐになるでしょうし、なによりも感性がよく似た者同士だからこそうまく連携できるのでしょうね。しかも食材となる牛肉は、国産飼料だけで育てた近江プレミアム牛や完全放牧で育てたジビーフ、さらに経産牛のドライエージングビーフですから格付けなんてまったく関係のない世界です。生産者と私、そしてシェフのみなさんでこの1年作り上げてきた合作のようなものばかりです。
格付けとは無縁の世界が広がりつつありますが、私は格付けは輸入牛肉との差別化などで今後は益々必要になってくると思っています。ただそろそろ改善の余地はあると思っていますが…。
11月は各地で共進会など品評会が開催されていましたが、生産者が丹精込めて育てた牛が高評価され喜んでいる姿を見ると私までうれしくなります。目標があればそれだけ飼育にも力が入るというもの。ただ、霜降りに価値を見いだせない私は格付けの必要性を認めつつも、私の取り組みには必要ないと思っています。
あいかわらず、A5の〇〇牛とか最高級A5〇〇といった謳い文句でウリウリ感満載な看板を見かけますが消費者も気づいていますよ。 そこしかアピールするところがないないのはわかりますが格付け評価と味はあまり関係がないですからね。実際、この年末の仕入れ状況を見ていると、赤身系に人気が偏りロース系の評価が落ちていますから問屋さんはやりくりが大変そうです。ロース系を高く売らなければ利益が出ないですからね。かといってモモ系の評価を高くするにも限度がありますから売っても売ってもロース系が足をひっぱって儲からないという現象が起こる可能性があります。
なにはともあれ、私は自分がおいしいと思った肉を売るだけですから応援していただいてる方々に満足いただければ十分幸せです。格付けにこだわらない肉屋は楽なのです。
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