昭和のおいしかった近江牛を再現
公開日:
:
2015/01/16
近江牛
1ヵ月以上、吊るしておいた骨付きロースを本日捌きました。ドライエージングではなく普通の冷蔵庫に吊るしておいただけ。もちろんコツはありますよ。そうでなきゃ腐りますからね。
牛肉に含まれる水分には結合水と自由水に2種類があります。結合水はその名のとおりでタンパク質などと結合した水のことです。自由水は温度や湿度によって蒸発や移動が起こる水のことで、ドライエージングで微生物の繁殖に利用できるのはこの自由水のみです。
熟成肉で私が心がけていることは、まずドライエージングに耐えうる個体かどうかということです。10日程度ならどんな肉でも問題ないのですが40日以上の長期熟成にはそれなりに踏ん張りがきく個体でないと旨味が抜けてしまってカスカスの肉なってしまいます。
吊るしておいた肉もよく似てはいるのですが、水分量を多く含む雌牛が適しているように思います。去勢は水分量が少なくサシが邪魔をします。肉が乾くようなイメージです。
まだまだ試行錯誤中ですが、理想は舌に少し酸が残り旨みの余韻が1秒でも長く感じることです。霜降り肉のようにガツンとくるインパクトはなく、かといって赤身肉のようにやさしい味わいでもない。ちょうどその中間くらいのうまさを追求した味です。
雌牛のほうが絶えてくれるとは思うのですが、先日セリで落とした去勢をただいま実験中です。
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2011年10月09日のつぶやき
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