北海道産仔牛、柏葉さんのホワイトヴィール(乳飲み仔牛)を堪能
公開日:
:
2015/09/05
ホワイトヴィール
北海道オークリーフ牧場のホワイトヴィール(乳飲み仔牛)が定期的に入荷してきますが、国内で見かける(食べられる)仔牛のほとんどはニュージーランドやフランス、米国産などの外国産です。日本は仔牛の文化が根付いていないので品質面のおいて外国産に劣ります。実際にフランスで見た仔牛は色も肉質もすばらしくて、わざわざ日本のものを使う必要性を感じませんでした。
特にイブマリの冷蔵庫にぶら下がっていたコート(骨付きロース肉)は肉が白くて豚と間違えかけたくらいです。仔牛は白に近いほどいいものだと言われていますが、まさしくその通りの肉でした。
イブマリから仔牛を使わないかと打診があるのですが、もちろん使えるものなら使いたいですが輸入するとなれば真空パックになると思われますし、そうなると圧迫のダメージからパリの店舗で見たものよりかなり劣ることが予想できます。
成牛も同じで、海外で食べた赤身肉がおいしくて、同じものを輸入しても個体差があるにしろ、まったく別物ということがよくあります。ウェットエージングで輸入の過程で熟成されておいしくなるとの見解もあるようですが、そんなことはないでしょう。現地で食べるほうがクオリティが高いのはだれがみても明らかです。だからフランス産の仔牛だから品質がよいと思い込むのはよくないですし、そのあたりを見極める経験と知識、そして料理力が必要だと思われます。
そうはいっても、できれば顔が見える国産の仔牛を使いたいので、数か所から取り寄せたことがあります。とにかく日本で仔牛をやっているところは少ない(ほとんどない)ので探すのに大変でした。取り寄せた仔牛は知り合いのシェフに料理してもらったのですが、そりゃおいしいですよ。でも、私がやるとおいしくない。これではあまり意味をなさないのです。
あくまでも、一般のお客様が調理してもおいしくなるグレードでなければ扱う理由がありませんので半ばあきらめていたところに知り合ったのが、オークリーフ牧場の柏葉さんでした。柏葉さんのホワイトヴィールを初めて食べたときの衝撃はいまも忘れません。クリーミーな風味とほんのりと甘い肉は成牛の肉に戻れなくなるんじゃないかと思ったほどです。
柏葉さんのホワイトヴィールの特徴は、私も驚いたのですがしっかりと肉の味がするのです。通常、仔牛の肉は味がないのソースと合わせたりするのですが、柏葉さんのホワイトヴィールは成牛のステーキのように焼いて塩だけでも十分においしいのです。写真はバラ肉のローストハムですが、ほどよい硬さと歯に食い込む繊維がとっておいしくて、言われなければこれがバラと気づく人は少ないでしょう。
こちらはソーセージですが、つなぎにパン粉を使っただけ。玉ねぎも入っていますがホワイトヴィールだけでこれだけおいしく仕上がるのは肉に味があるからだと思うのです。
昨夜は、柏葉さんが京都に来られたので、じゃー、ホワイトヴィールを食べにいこうということでバラのローストハムからはじまり、ソーセージ、ヒレとサーロインの食べ比べ・・・ホワイトヴィール尽くしを堪能したのでした。かなり食べたのですが膨張感もなく翌朝の疲れもなく、それでいて余韻もあり、なんといっても生産者の柏葉さんが感動してくれたのが私にとっては一番うれしかったです。
目の前に生産者がいて、料理人がいて、みんなが笑顔で1つの食材について語れることの喜びは、少しぐらいは私もお役に立っているのかなと自分の仕事が誇れる瞬間でもありました。
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