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ジビーフ「ヤナセ君」間もなく入荷

公開日: : 2015/11/21 ジビーフ(完全放牧野生牛)

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11月6日に出荷したジビーフ「ヤナセ君」ですが、地元の問屋さんでしばらく吊るしてもらい、肉質を落ち着かせてから24日に当店に入荷してきます。入荷してもすぐに販売というわけではなく、いかんせん水分が多いので、骨付きの状態で吊るして自由水を飛ばしながら肉の旨味を凝縮させる作業に入ります。どれくらい水分量が減ればいいのかは、毎日のチェックと試食を繰り返しながら頃合いを見ていきます。

さすがにこの時期に様似(ジビーフが育つ放牧地)には行きたくない。寒さが苦手な私には辛すぎる。生産者というより管理人の奈緒子さんは、夜明け前の午前5時、真っ暗な中、車のライトと懐中電灯を使ってジビーフ達を探しだす。牛は群れで行動するので200haの放牧地で出荷するヤナセくんを探すのは一苦労だ。

ヤナセ君一頭だけを連れてくるのは不可能なので、群れを全頭移動させなければならない。何故こんな暗いうちからやるのかというと、と畜当日出荷の場合は10:00迄にと畜場に入らなければならない。と畜場までは放牧地から3時間はかかる。少し余裕をみて6:00に輸送トラックを手配しても、6:00までには牛の群れを出荷牛舎まで追いこみ、その中からヤナセ君1頭を分けて、生まれて初めてのモクシをつけなければならない。…となるとやはり5:00には始めなければ間に合わないのだ。

制限時間は1時間。そこそこ距離がある放牧地から谷を渡らせ順調に行って1時間弱。一度でも逃げられたら最初からやり直しで、そんなことをしていたら間に合わない。

とまぁ、こんな感じで出荷されるのです。奈緒子さんの仕事はここまで。あとは運送業者が運んでくれます。と畜から解体、そして地元の問屋さんを経由して当店に入荷してくるのですが、そこから吊るして骨を外して取引先へお届けするのですが、人の口に運ぶまでいったい何人の手を介しているのだろうか。介した手の分だけおいしくなってもらわなければいけない。それぞれのプロが繋いだ命だからこそ信頼のできるシェフのもとへ届けたいのです。

ジビーフはとにかく扱いにくい肉です。赤身ブームにも当てはまらないほどの赤身です。和牛に慣れ親しんでいる方から見ればとんでもない肉かも知れません。それでも、わくわくする肉なのです。ヤナセ君の格付けはB-1でした。前回のやい子ちゃんがC-1だったので少し上がりました(笑)

 

 

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