函館から6時間のドライブ、ジビーフを訪ねて様似へ
公開日:
:
2016/12/01
ジビーフ(完全放牧野生牛)
函館から車で6時間・・・もはや日本じゃない(笑)
数か月前、際コーポレーションの中島社長に「北海道へ行きませんか?」とお誘いした。「何しに行くの?」「ジビーフ見に」、こんな感じだったと記憶している。それから飛行機の時間だけメールして羽田空港で待ち合わせた。行き先は函館・・・コルツだ!農楽蔵だ!
帯広から北村貴さん、様似からジビーフの西川奈緒子さんが函館に向かっている。コルツで合流する手筈になっている。ここからは昨日書いた通りだが、よくよく考えれば中島社長になにひとつスケジュールを伝えていなかった。伝えたのはジビーフを見に行くということだけ。
コルツが楽しすぎて4時まで飲んだ翌朝、チェックアウトを済ませてロビーで待っていると中島社長と貴さん、奈緒子さんがワイワイガヤガヤしながらやってきた。「冗談じゃないよ、東京へ帰れるじゃないの。帯広は空港ないの」と中島社長のドスの効いた声が聞こえてきた。どうやらこのとき初めてスケジュールを知ったようだ。そりゃそうだ、私はなにも言ってないのだから・・・。
中島社長は函館からジビーフがいる「様似」まで1時間程度だと思っていたらしい。それが6時間もかかるのだから、しかも車移動だし「冗談じゃないよ」と言いたくもなる。じつは私もそんなにかかるとは思っていなかったのです。私も内心では「冗談じゃないよ」って思ってたのですが、そんなことを口にでもすれば「おまえが言うな!」でチーンって感じだっただろう。
さて、6時間のドライブはさしずめ中島社長の講義のようだった。私にとってはどんな講演を聴くより、どんな本を読むより価値のあるものだった。2004年に中島社長の「ハングリー」という本を買った。すごい人がいるもんだと一気に読んだ記憶がある。その著者が隣に座っているのだから人生どこでどんなご縁があるのか分からない。
様似に着いた頃には日没寸前。どうにかジビーフたちにも会うことができた。完全放牧のジビーフたちはこれから寒い冬を越さなければいけない。大地を踏みしめながら移動するジビーフたちの姿は本能のままに生きている自然そのものだった。
ところで、コルツの佐藤シェフが最初にコンタクトをとったのは奈緒子さんでした。
奈緒子さんがFBに当時のことをこんなふうに書いていた。
『もしもし、あの…わたくし函館でColz コルツというレストランをしてます佐藤と言います。突然お電話してすいません。あの…先日TVで観まして…あ、いや…私が観たわけではないんですが、私の友人が観てまして…佐藤さんの理想としている牛を育てている女性が北海道に居たよ!と教えてくれまして…』シェフの食に対する想いとか、ジビーフの飼育方法だとか、あれこれ10分くらいは話したと思います。一年間に出荷できる頭数がまだたった4~5頭で、コルツさんに卸すことは無理だと思いますと伝えると、どのくらい待てば頭数が増えますか?と聞かれ、多分5年くらい…と答えると、分かりました待ちます!との返答に戸惑ったのを今でも覚えています。(実はTVを観た友人というのが農楽蔵の佐々木さんだったのです)
佐々木さんの造るワインはいわゆる自然派と呼ばれている部類に入るのですが、なんていうのか潔いワインなんですよね。だからジビーフにはドンピシャなんです。車中で中島社長がしきりに「環境」という言葉を口にしていたのですが、まさしく環境が共鳴し合うとこんなにも心地よくておいしくて気持ちがいいものなのかと感激したのでした。
様似を後にして次に向かうのは十勝川温泉に先月オープンしたばかりの「大地の匠」です。こちらはオークリーフ牧場の柏葉社長が温泉街活性化のために立ち上げた焼肉店です。
さあ、中島社長!行きますよ。今度は大丈夫!2時間で着きますから・・・
呆れた顔して、冗談じゃないよ!とニッコリ笑う中島社長でした。
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