ジビーフ・土佐あか牛・近江牛の食べ比べ
久しぶりにドキッとするナイフに出会いました。イタリア・トスカーナ州スカルペリアで作られている『Berti ベルティ』です。ビステッカのために作られたナイフだそうで切れ味も抜群です。せっかく良い肉を使っていてもナイフが切れないとテンション下がりますからね。このナイフのデザインはもちろんのこと、握ったときの感覚がピタッとくるのです。そして驚いたのがみねから刃先の幅が肉の厚さと同じサイズなんです。もちろん偶然じゃなく意図的にです。
文章では伝えにくいのですが、みねから刃先の幅とカットした肉の断面幅が一緒なのがお分かりいただけるかと思います。かなり欲しいのですがお値段が可愛くないのです。
さて、東京のとあるレストランで赤身肉の食べ比べを行ったのですが、まず時計回りに12時の位置にあるのが「土佐あか牛」その下が「ジビーフ」左側が「近江牛」です。近江牛に限っては経産牛です。一産して種がつかなくなったのでお肉になってもらいました。少しサシが入っていますが問題ないレベルです。というのも私の考えは、サシがたくさん入った肉は薄切りに適していて、分厚くカットして食べるには赤身が適していると思うのです。サシが多い肉を分厚くカットしても一切れかふた切れで満足してしまいますし、ガッツリ食べるには赤身が最適だと思うのです。要は料理や食べ方に適した肉を選べばいいわけです。
リブロースのカブリは刻んでバーガーに。フランスでいうところのステークアッシュですが、ミンサーで挽いていないので食感を歯でしっかり感じることができます。人によっては硬く感じるかも知れませんが、カブリの特性を味わうには手切りが最適ですね。
こちらは端材の部分です。筋もくっついたままですが、提供の仕方がすばらしいのです。一緒に出すのではなく、メインを食べている途中でちょんちょんと置いていくのですが、このタイミングが絶妙なんです。
奥がジビーフ、手前が土佐あかうしです。悲しいことに近江牛の経産を単体で食べた時は感動するほどおいしかったのですが、ジビーフと土佐あか牛を食べたあとだと脂くどさを感じる結果になりました。赤ワインで流し込まないと厳しいかな。ということで、食べる順番もかなり重要だということが分かりました。
来月はこちらのお店でイベントを行いますが、かなり楽しみになってきました。
関連記事
-
-
牛肉の新しい価値を求めて
写真は京都ホテルオークラで開催された「信州プレミアム牛肉」発表会のメニューの1つ、「牛ロース
-
-
金儲けをしたいのか、中身をキッチリやりたいのか。
マル(シンタマ)はモモの一部ですが、「モモ=赤身」だと思われている方が非常に多くいらっしゃい
-
-
高騰しているのは牛肉だけではなく内臓も同じくで上質な内臓を食べる機会が少なくなる
素牛不足から子牛価格が高騰し、当然ながら枝肉価格も高騰で小売値を上げざる得ない状況が続いてい
-
-
どうすればおいしくなってくれるのか
どうやったらおいしくなってくれるのか?... なんか毎日寝ても覚めてもそんなことばかり考えて
-
-
生産者と消費者を結ぶサイト
昨日アップした牛肉の「シコリ」についての記事は、 社員向けだったので削除しました。 たくさんの「